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9月5日に開幕 リーグ誕生100年目のNFL

2019.9.3 12:09 生沢 浩 いけざわ・ひろし
開幕を待ちわびるパッカーズのファン(AP=共同)
開幕を待ちわびるパッカーズのファン(AP=共同)

 

 NFLの2019年シーズンは9月5日(日本時間6日)に開幕する。昨シーズンのスーパーボウル王者がホームで開幕戦を行うのが恒例だが、今年はリーグ誕生100年目という節目のためやや趣が違う。

 記念すべきシーズンの開幕戦はシカゴ・ベアーズがグリーンベイ・パッカーズを地元ソルジャーフィールドに迎える好カードだ。

 

 この2チームはともにNFLの黎明期から存在し、そのライバル関係は最も歴史があるとされる。

 これまでにプレーオフを含み198回の直接対決があり、パッカーズが97勝95敗6分けである。

 パッカーズは32回、ベアーズは27回プレーオフに出場しているが、ポストシーズンでの両者の直接対決は2回しかなく、1勝1敗の五分である。

 

 パッカーズは最近2年間プレーオフから遠ざかっているが、ベアーズは昨年8年ぶりに地区優勝とプレーオフ進出を果たした。その原動力となったのは伝統的に強いディフェンスだ。

 昨季開幕直前にトレードで入団したLBカリル・マックに触発され、CBカイル・フラー、DTアキーム・ヒックス、Sエディー・ジャクソンがそれぞれプロボウルに選出される活躍を見せた。

 今年は守備コーディネーターがビック・ファンジオ(現ブロンコスHC)からチャック・パガーノに交代したが、主力メンバーは残っており、リーグで最も失点の少なかったディフェンスは健在だ。

 

 このベアーズのように昨年のプレーオフ進出チームは今年も前評判が高い。その筆頭がセインツだ。

 昨年のNFC決勝でラムズに敗れたセインツだが、第4Q終盤にラムズディフェンスのパスインターフェアをめぐる審判団のミスジャッジがなければスーパーボウルに出場していたかもしれない。

40歳になっても衰えを知らないセインツのQBドルー・ブリーズ(AP=共同)
40歳になっても衰えを知らないセインツのQBドルー・ブリーズ(AP=共同)

 40歳になったQBドルー・ブリーズだが、その肩の強さとパスのコントロールには衰えが見えない。

 昨年もパス成功率74.4パーセントというNFL新記録を打ち立てた。WRマイケル・トーマス、RBアルビン・カマラを擁するオフェンスは今年も高得点をたたき出すだろう。

 

 このセインツとNFCの覇権を争うのがラムズだ。スーパーボウルでこそペイトリオッツに封じられてしまったが、QBジャレッド・ゴフを中心とするオフェンスは強力だ。

 来年完成する新スタジアムに気持ちよく移るためにも再びNFCを制して王座を勝ち取りたい。

ショーン・マクベイHCが率いるラムズ(AP=共同)
ショーン・マクベイHCが率いるラムズ(AP=共同)

 

 ラムズを倒して通算6度目のスーパーボウル優勝を手にしたペイトリオッツは名将ビル・ベリチックとQBトム・ブレイディが存在する限り常に優勝候補だ。

 ただし、今年は引退したTEロブ・グロンカウスキーの穴埋めという大きな課題がある。グロンカウスキーを故障で欠いたシーズンはプレーオフで敗退することの多かったペイトリオッツだけに、彼に代わるプレーメーカーの台頭は不可欠だ。

今シーズンもその手腕が注目されるペイトリオッツのビル・ベリチックHC(AP=共同)
今シーズンもその手腕が注目されるペイトリオッツのビル・ベリチックHC(AP=共同)

 

 ペイトリオッツに対抗できるAFCのチームはやはりチーフスだろう。昨年のリーグMVPであるQBパトリック・マホームズが昨年並みの活躍ができれば十分にペイトリオッツに対抗しうる。

 ただし、ディフェンスはジャスティン・ヒューストンやディー・フォードといったパスラッシャーが退団した影響が懸念される。

 

 今年躍進が期待されるのがブラウンズだ。1999年にチームが復活してからプレーオフ出場は2002年シーズンのみ。

 現在のNFLで最も長い期間プレーオフに縁がないチームだ。

 

 しかし、ようやく最近になってDEマイルス・ギャレット、RBニック・チャブらドラフトで獲得した選手が着実に成長してきた。

 何よりも昨年の全体1位指名のQBベイカー・メイフィールドの存在が大きい。

 昨季第4週に先発に昇格してから成績こそ6勝7敗と負け越しているが、27のTDパスを成功させて新人QBのリーグ記録を塗り替えた。

 ファンにとってはチーム復活から31人目にして初めて「フランチャイズQB」と呼ぶにふさわしい先発QBが出現した。

バッカニアーズとのプレシーズンゲームでパスを投げるブラウンズのエースQBベイカー・メイフィールド(AP=共同)
バッカニアーズとのプレシーズンゲームでパスを投げるブラウンズのエースQBベイカー・メイフィールド(AP=共同)

 

 さらに今季はWRオデル・ベッカムJr.やRBカリーム・ハント(開幕から8試合は出場停止)、DEオリバー・バーノン、DTシェルドン・リチャードソンといったプロボウル選出経験のあるベテラン選手がドラフトやフリーエージェントで加入した。

 AFC北地区で長くスティーラーズ、レーベンズ、ベンガルズの後塵を拝してきたブラウンズだが、今季はディビジョンリーダーとなるチャンスだ。

 

 プロフットボールリーグが誕生して100年目のシーズンを制するのはどのチームか。

 その王者が誕生するのは来年2月2日(日本時間3日)、舞台はハードロックスタジアム(フロリダ州マイアミ)だ。それまで長いようで短い5カ月間の戦いが始まる。

昨シーズンのリーグMVP、チーフスのQBパトリック・マホームズ(AP=共同)
昨シーズンのリーグMVP、チーフスのQBパトリック・マホームズ(AP=共同)

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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