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【編集長の独り言】Vol.18

2019.6.4 11:45 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
5月の日体大との試合で掲げられた「日大アメリカンフットボール部」の新しい部旗
5月の日体大との試合で掲げられた「日大アメリカンフットボール部」の新しい部旗

 

 残念な出来事があった。数年前から一般非公開で行われている日大と慶応の春の試合は、とても後味の悪いものになった。

 

 日大の大量リードで迎えた試合終了間際。日大の選手がサイドラインから大声を発し、いわゆる〝クラウドノイズ〟効果で慶応のオフェンスに影響を与えたように見えた。

 他の審判を介して妨害行為を慎むように警告していた主審は試合を止め、日大ベンチに強い口調でやめるように指導。主将が謝罪するという、異例の事態になった。

 

 公式試合への出場資格停止処分が解除されたとはいえ、「フェニックス」にはまだ関東学連など周囲から厳しい目が注がれていることを忘れてはいけない。

 今の日大に必要なのは、試合に勝つことではなく、名門のプライドを取り戻し矜恃を示すことである。

 慶応OBの主審が厳しく戒めたのも、そうした願いが込められていたからだと思う。

 

 規則ではブラスバンド、チアリーダーを含むすべてのチーム関係者が、相手チームのコールを妨害する音声を発することを禁じていて、「15ヤードの罰則、自動的にファーストダウン」となる。

 

 観戦した慶応の元主将は、久しぶりに足を踏み入れた下高井戸のグラウンドを懐かしみながらこう言った。

 「昔僕らがここで試合をしたとき(元監督の)篠竹さんに呼び止められて『慶応頑張れ』と励まされたことは、今でも忘れない」

 

 フェニックスはフェニックスらしく、常に堂々としていてほしい。そう願うのは日大OBより、むしろ他大学のOBに多いことを最近実感している。(宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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