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正念場迎えたエースQB ジャイアンツのイーライ・マニング

2019.4.17 11:36 生沢 浩 いけざわ・ひろし
2017年シーズンの試合後、記者の質問に答えるジャイアンツのQBイーライ・マニング(AP=共同)
2017年シーズンの試合後、記者の質問に答えるジャイアンツのQBイーライ・マニング(AP=共同)

 

 スーパーボウルのMVPに2度輝いたイーライ・マニングが、ジャイアンツのエースQBとしてプレーするのは今年が最後になるかもしれない。

 NFLドラフト(現地時間4月25~27日・テネシー州ナッシュビル)が近づくにつれてそんな噂が飛び交うようになった。

 

 マニングは15日、電話による合同インタビューに応じ、「ジャイアンツがドラフトで新人QBを獲得すると思う。それは理解しているが、自分は与えられた仕事をするだけだ。そしてその仕事とはQBとして試合に勝つことだ」と述べた。

 ジャイアンツが、今年のドラフトの早いラウンドでマニングの後継者となるべきQBを指名するのはほぼ確実な情勢とみられている。それをマニング自身も容認したと受け取れる発言だ。

 

 今年のドラフトでは昨年のハイズマントロフィー受賞者で、MLBからの誘いを蹴ってNFL入りを表明したカイラー・マレー(オクラホマ大)、ドウェイン・ハスキンス(オハイオ州立大)、ドルー・ロック(ミズーリ大)が1巡指名候補とされる。

 ジャイアンツは1巡で6番目の指名権を持っている。今年は指名順位の早いチームでQBを必要としているチームがそれほど多くないことから、ジャイアンツが上記の3人のうちの誰かを獲得できる確率は高い。

ドラフトで上位指名が予想される、オクラホマ大のQBカイラー・マレー(AP=共同)
ドラフトで上位指名が予想される、オクラホマ大のQBカイラー・マレー(AP=共同)

 

 今年がマニングにとってジャイアンツで過ごす最後のシーズンになるかもしれないと考えられているのは、彼が契約の最終年を迎えるからだ。

 通常ならばマニングほどのフランチャイズQBであれば契約が2年ほど残った時点で交渉を始め、契約延長を成立させる。

 エースQBが「今シーズン限りで契約が切れる」という状況でプレーすることは、およそ考えられないのだ。

 すなわち、ジャイアンツは新たな人材を今年のドラフトで獲得することができれば、来年はマニングとは契約しない方針だと判断できるのだ。

 

 確かに過去2年のマニングは不振で、この間にジャイアンツは8勝しかしていない。2017年シーズンの終盤には、当時のベン・マカドゥーHCによって先発を外されたこともあった。

 この時はマカドゥーHCが解雇されてマニングは再びスターターに復帰したが、昨年は個人スタッツこそいい数字を残したものの、チームには五つしか白星をもたらせなかった。

 

 ジャイアンツは昨年のドラフトでも1巡でQBをとると予想された。しかし、新任のパット・シャーマーHCはマニングの復活を信じて指名を見送った。

 ジャイアンツにとっては今年が最後のチャンスであり、QB指名は間違いないだろう。

 

 マニングが生き残るためには、完全復活を印象付けるパフォーマンスを見せるしかない。 同様の状況で見事に復活を果たしたのが2017年のドルー・ブリーズだ。

 この年のブリーズもフランチャイズQBでありながら契約の最終年を迎えるという屈辱を味わった。しかし、ブリーズは全盛期を思わせる精度の高いパスを武器にセインツをプレーオフに導いて、シーズン後に新たな2年契約を手に入れた。

 昨年も好調を維持し、あと1勝でスーパーボウルというところまでチームを牽引した。

 

 ブリーズと同じ成功の道をたどることが、マニングが来季もジャイアンツに残る唯一の方法だ。

 それができなければ新天地を求めるか、ユニフォームを脱ぐしか選択肢はなくなる。

 スーパーボウルMVPであろうと実力で勝負しなければポジションを失う。これがNFLの厳しさだ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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