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相次ぐ大物選手の移籍 NFL、2019年シーズン始まる

2019.3.20 15:53 生沢 浩 いけざわ・ひろし
イーグルスからジャガーズに移籍するQBフォールズ(AP=共同)
イーグルスからジャガーズに移籍するQBフォールズ(AP=共同)

 

 アメリカ東部時間3月13日午後4時(日本時間14日午前6時)にNFLの2019年シーズンが正式にスタートした。

 

 今年はNFLの100年目のシーズンでもある。

 

 

 新年度開始とともにフリーエージェント(FA)選手との契約やトレードが解禁となり、早くも大物選手の移籍が続出している。

 

 一昨年のスーパーボウルでイーグルスを優勝に導き、MVPに輝いたQBニック・フォールズを獲得したジャガーズは、エースQBのブレイク・ボートルズをラムズに放出した。

 前ドルフィンズのライアン・タネヒルはタイタンズにトレードされた。ドルフィンズはベテランのライアン・フィッツパトリックを獲得した。

 

 

 5、6年前に比べると正QBポジションの「空き」は少なくなった。

 

 トム・ブレイディ(ペイトリオッツ)やドルー・ブリーズ(セインツ)らが40代になっても依然としてトップクラスで活躍していることもあるが、ジャレッド・ゴフ(ラムズ)、カーソン・ウェンツ(イーグルス)、デショーン・ワトソン(テキサンズ)、マーカス・マリオタ(タイタンズ)らがこの数年でスターターに定着したことが理由だ。

 

 

 さらに昨季は2年目で先発の座を獲得してチーフスをAFC決勝に導いたパトリック・マホームズのほか、ベイカー・メイフィールド(ブラウンズ)やラマー・ジャクソン(レーベンズ)ら新人QBも台頭した。

 

 32しかない先発QBのポジションは大半が埋まりつつある。

 

 

 そのあおりを受けたのがタネヒルやボートルズら中堅選手だ。彼らはそれぞれ1巡指名を受けたチームでスターターとして長くプレーしたが、安定して結果を残せなかったことが移籍につながった。

ジャガーズからラムズへの移籍が決まったQBボートルズ(5)(AP=共同)
ジャガーズからラムズへの移籍が決まったQBボートルズ(5)(AP=共同)

 

 先発の座を約束されるか、少なくともポジション争いのチャンスを与えられるのならいいが、明らかにバックアップ要員として獲得されたとすれば再び脚光を浴びるのはとても難しいと言わざるを得ない。

 

 

 ほかにもオフェンスのスキルポジションではビッグネームの移籍が相次いだ。

 

 ジャイアンツのエースWRだったオデル・ベッカムJr.はブラウンズにトレードされ、前スティーラーズのRBレベオン・ベルはジェッツと契約した。

 

 

 ディフェンスではSの動きが活発だ。前シーホークスのアール・トーマスがレーベンズに移籍し、レーベンズやチャージャーズで活躍したエリック・ウェドルはラムズに新天地を求めた。

 

 元パッカーズで昨季はレッドスキンズに在籍したハハ・クリントンディックスはベアーズと契約を結んだ。

 

 

 一方でスーパーボウルチャンピオンのペイトリオッツは、ここまでほとんど目立った動きをしていない。

 

 DEマイケル・ベネットをイーグルスとのトレードで獲得し、Sジェイソン・マコーティが引退を撤回してチームに残留したくらいだ。

 

 シーズンを通してチーム力を確実に上げていくノウハウが確立されているペイトリオッツでは、この時期に大枚をはたいてまで高額なFA選手を獲得する必要がないという自信の表れか。

 

 

 今後NFLチームは、4月下旬の大学ドラフトに向けての準備を本格的に開始する。

 

 FAやトレードでの動きは、すべてドラフト計画と連動している。

 

 現在動向の静かなチームは、ドラフト戦略を十分に練っていると予想される。

 

 逆にドラフト指名権をトレードの交換条件に使ってトレードを連発するチームは、新人よりもベテラン選手の戦力を必要としている。ここにもチームの補強方針の違いが見られて興味深い。

スティーラーズからジェッツに移籍するRBベル(AP=共同)
スティーラーズからジェッツに移籍するRBベル(AP=共同)

 

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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