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早大・元山、京大・佐藤 東西のリーディングラッシャー新春対談(下)

2019.1.23 10:55 中村 多聞 なかむら・たもん
昨年の甲子園ボウルでの早大RB元山選手
昨年の甲子園ボウルでの早大RB元山選手

 

 早大のRB元山伊織選手と京大のRB佐藤航生選手。東西学生リーグのリーディングラッシャーの新春対談の第2弾です。

 今回も、教え子の二人に「タモン式」指導法をあれこれ振り返ってもらいました。

 

多聞:君らは「タモン式」で何を学んだ?

元山:そうそう。佐藤らはタモンさんに通信教育で何習ってたん? 俺らは毎日いろいろやったけど

佐藤:スキルの部分もたくさん教えてもらったけど、終わってみればメンタル的な指導が大きく影響した気がします。今年のシーズンは特にそうでした。印象的だったのは近大戦で第4ダウンショートを止められたんよ。それをRTVで見てたタモンさんから「この時メッチャ気合い入れてたやろ?」と聞かれて。もちろんそうなんですけど「じゃあ普段の練習からその時と同じ気持ちでやれや」と言われて、そのあとからの練習ではキッチリ気持ちを準備して臨めました

元山:まず練習のハードさな。技術面も教えてもらったけど、片岡がけがでいなくなって試合を一人でやらなアカンようになってから体力向上のシゴキが始まって、そっからはもう地獄。試合より余裕でキツい。

多聞:そうじゃなかった君らの過去が異常やねん!

佐藤:タモンさんが早稲田のオフとかのホント稀に練習に来てくださる時、いつもは昼寝してノンビリ過ごすけど、ミーティングとかいろいろ呼び出されて朝から夜中までしごかれ続けるから体力も精神も両方ヘトヘト。早稲田はこれが毎日かよって考えたら伊織大変やったやろ?

元山:ホンマヤバいで。なんやねんゆうぐらいしんどいもん

佐藤:やっぱりそうやんな………気の毒に

元山:マラソン選手とかもそうらしいやん。練習の方が圧倒的にキツいって聞いたことがある。でも結局そのおかげで試合が楽になった。最終学年でホンマ良かった。下級生らはコレが延々と卒業まで続くし気の毒でしゃあないわ

佐藤:そうそう、タモンさんの練習はとにかくキツいよなあ

元山:でも試合日はトレーニングもないし。練習の時はスクリメージで独走タッチダウンしたら元の位置までフルダッシュで帰って来な怒鳴られんねんけど、試合はそうじゃないやん。。みんながハドルを組みに俺の走ったとこまで来よるしメッチャ楽やん。だから練習ではタモンさんのこと、めっちゃ嫌いになるもん

多聞:君、ここの支払い誰がするか理解していますか?

元山:う、はい、してます! で、甲子園前には有名どころの社会人選手が早稲田の練習を手伝いに来て下さってて「早稲田の練習ヘボいで」ってヨソで絶対に言われないようにするため、毎回エンドゾーンの向こう側のフェンスまで走り抜けろって。だからその週は体力アップのために走り倒し。独走してもまたすぐに自分の順番。「何言ってんのこのひとアホなん?」ってなってて。だから俺らは練習の方が緊張するしプレッシャーあんねん。試合の方が全然楽しいし。試合中は頭がクールで、脳みそがキリッとしてて

佐藤:試合でいっぱいいっぱいになったらアカンもんな

元山:聞いた話やけど、関学はコーディネーターからスコアボード見るなって言われてるらしいで

佐藤:あ、それタモンさんから言われてたわ。だからいつも試合終わるまで点数知らんかったもん

多聞:それが普通や

元山:僕は見てました!

多聞:チッ!

元山:でもスコアボードを楽しんでました

多聞:でも君たちは結局関学に負けてるやんけ。ボロ負けで

佐藤:それを言われると………。でも関学戦は負けましたけど、点数を考えずにプレーできたと思う。自分がどう言うシチュエーションでも一番のパフォーマンスが出せるのはどうするのが良いかだけを考えるようになった。ラインズが通り道を開けられないこともあるけど、その中で自分に何ができるのかを考えてたなあ。

元山:俺ら似てる気するわ。特別足が速いわけじゃないし、駆け引き勝負のとこあるよな

佐藤:そうだよね

元山:練習のミスは自分の責任だけど、試合では誰かの責任にしてた。人には言わなくて頭の中の整理として

多聞:顔に出てたやん!

元山:うそっ、出てました? 佐藤はパスプロどうなん? 俺はちょっとでもサボったらタモンさんにバレんねん。

佐藤:俺は苦手やったし、今年パスプロした覚えほとんどないわ

元山:両T強いもんな

佐藤:うん。すごいんやけど、あいつら負けた試合にけがで出れなかってん

元山:まあOLの責任にしたら怒られるよな。あと、練習じゃ次にどんなメニューするか分からんのがつらかった。この人、直前までメニュー隠しはんねん。鍛えなあかんゆうて急に腹筋3000回とか。「今日はみんな疲れてるから走りモンなしなー」「おー、やったー!」ゆうて喜ばしといて3000回やで 

佐藤:最初、タモンさんは苦労人だとは思わなかった。才能豊かで感覚だけでうまいことやってはったんだろうなって思ってたけど、いろいろ話をしていく中で「このオッちゃん結構工夫して努力してきはったんやろな」って感じるようになって。そう思ったらもう逆らえないよな。最初は経歴も一切知らんかったけど、とにかく言われるがままやってみたら、結果もついてきたし、タモンさんは正しいんだなと思った。そして選手時代の経歴を知ったら見方が変わった。言ってることに重みが加わったって言うか

元山:あと、防具つけたタモンさん、当たったら質がちゃうよな。地面から生えてきてるんかいうぐらい

佐藤:そうなんやー怖っ。俺はパスプロが嫌いで、教えてもらったけど嫌やったわー

元山:なんで嫌いなん? 俺は好きやで。相手シバけるやん

佐藤:ボール持ってたらいくらでも当たれるけど。結局パスプロは4年間でつかめないまま終わったわ

元山:セコ技で勝負してんねん俺。うまくなったで

多聞:せやな。学生相手なら全く問題なくなったな

佐藤:俺、試合のときパスプロミスって、そのせいでQBが激しくタックルされ傷んでしまってめちゃくちゃ謝りましたよ

元山:ええやつやな佐藤

多聞:それより伊織、カレッジボウルの練習で足動いてないな。活躍できひんであんなんやったら

元山:はい。なんか全然走れないです

多聞:3週間休んだら、こんなんなってまうねんな。すごいな人間の体って

元山:ホンマですね

多聞:取材終了。俺もこれで君らの会話メモるの終えるわ。カンパーイ!

関大とのリーグ戦でダイブする京大RB佐藤選手
関大とのリーグ戦でダイブする京大RB佐藤選手

 こんな感じでいろんな話を聞くことができました。二人ともフットボールに入れ込みすぎて勉学が若干おろそかになってしまい、もう1年大学に通うようです。

 佐藤選手は5年生コーチとして後進の育成。案の定カレッジボウルでは活躍できなかった元山選手はチームから退き、就職活動を含め普通の学生生活を送る予定です。

 

 この二人には2年間楽しませてもらい、とても感謝しています。これからは甲子園ボウルで勝つよりも、圧倒的に楽で簡単な社会人ライフが待っています。

 今まで通り気楽に進んで行ってください!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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