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(495)大切な役目を持っている アマゾンマナティー(下)

2018.12.31 15:52
見ていると、とてもゆったりした気持ちになる(熱川バナナワニ園提供)
見ていると、とてもゆったりした気持ちになる(熱川バナナワニ園提供)

 

 「かわいいですよ」「とってもかわいいです」。担当の神田康次(こうじ)さんの口から何度もそんな言葉がこぼれた。

 静岡県東伊豆町の「熱川バナナワニ園」。日本でたった1頭のアマゾンマナティー「じゅんと」の話をしているときだった。「性格もとてもおだやかです。ここまでかわいいのはなかなかいないんじゃないかな」

 ここで48年間くらしているじゅんと。週に1回は全身のあかすりまでしてもらって、ずっと幸せにすごしてきたのかな。病気はしませんか?

 「病気はしませんが、1度だけ、埋まってしまったことがありました」

 10年以上前、まだ屋根のないプールにくらしていたころ、大雨がふって、裏山が崩れた。みんなもうだめかと思った。

 「ところが土砂におされたのか、完全にはうまらず、少しだけあいたスペースで、九死に一生を得て生きていました」

 「九死に一生」というのは、ほとんど助かる見こみがないのに、ぎりぎり助かるという意味だ。大きなけがもなかった。

 今年になって名前をつけたのは、もっとマナティーのことを知ってもらいたいから。「生息地のアマゾン川の森林がこわされ、マナティーの数がへっていて、保護活動が行われています」。かわいいだけじゃなく、じゅんとは大切な役目を持ってここにいるんだ。(文、佐々木央)=2017年11月配信

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