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【55】石鎚 純米吟醸 緑ラベル 槽搾り(いしづち)【愛媛】

2010.3.15 17:19
愛媛県西条市 石鎚酒造
愛媛県西条市 石鎚酒造

 人それぞれ、酒の飲み方がある。さまざまな種類の酒を飲む人もあれば、徹頭徹尾同じ銘柄の酒だけを飲み続ける人もいる。どちらがいい、というものではない。どちらを好むかは、まさに好みの問題である。わたくしは、明らかに前者だ。

 その場合、大切なのは、どの酒を最初に飲むか、だ。最初に飲む酒によって、次からの展開に大きな影響を与えるからだ。たとえば、味の濃い酒を最初に飲むと、口がそれに慣れてしまい、2番目からの酒は水のように感じてしまう。それじゃ、2番目以降の酒に気の毒だ。

 ということでわたくしは、多くの種類の酒を飲むときは、まず、すっきり系の酒から飲み始め、だんだん濃い酒に移っていくようにしている。これなら、それぞれの酒質をちゃんと味わうことができる、とおもうからだ。

 あるときの飲み会。最初に何を飲もうか、と考えながら冷蔵庫の中を見た。あった。「石鎚」だ。以前、同じ銘柄の違うランクの酒を飲んだことがあり、すっきりした飲み口の酒だなあ、とおもったのをおもいだした。

 で、「石鎚 純米吟醸 槽搾り」を飲んでみる。やっぱり、やや辛口系のすっきりした飲み口系だった。しかし、酸味があり、けっこう旨さがあった。線はやや細いながら、穏やかで凛としたたたずまいを感じる。けっこう芯と存在感がある。旨みが、そこそこ余韻として残り、クセが無い。純米吟醸なのだが、派手な香りではなく、さり気ない上品な感じの香り。

 最初のうちは、物足りなさを感じるが、飲むにつれ、だんだん旨みが感じられるようになり、飲めば飲むほど旨くなっていくタイプ。トップバッターとして起用しても、この酒だけを一晩飲み続けても、どちらでも対応できる酒だ。トップバッターでも3番打者でもこなせる、大リーグのイチロー選手並みの“好打者”だった。

 わたくしはこの夜、最初に「石鎚」を飲んでから、「澤屋まつもと」「美丈夫」「開運」「満寿泉」「菊姫」と飲んでいった。トップバッターがよかったせいか、全部、おいしくいただくことができた。

 蔵のホームページはこの酒を「スタンダードな蔵元イチ押しのお酒。穏やかながら凛とした気品漂う食中純米吟醸」と紹介している。

 また、酒名・蔵名の「石鎚」について、蔵のホームページは、西日本最高峰・石鎚山の麓に蔵があり、同山系の伏流水を仕込水に使っていることを由来に挙げている。


【備考】
この記事は2010年3月15日に初公開され、その後一部手を加えました。