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【196】鬼太郎 純吟 無濾過(きたろう)【鳥取】

2010.6.30 23:43
鳥取県境港市 千代むすび酒造
鳥取県境港市 千代むすび酒造

 ある日の日本酒研究会月例会。会場のM居酒屋は、酒の品揃えが当地トップクラスで、酒にやたらにくわしいオヤジがやっている店主。何を飲むのかはこの、ウンチク店主にすべてお任せ。

 この日は「一本義」(福井県)「くどき上手」(山形県)「浜千鳥」(岩手県)「与右衛門」(岩手県)「隠れ彦べえ」(秋田県)という順で飲み、6番目に出されたのが、なんとこの「鬼太郎」。水木しげるが描いた漫画・鬼太郎がラベル。水木しげるは、この酒の蔵がある鳥取県境港市出身なのだ。

 栓の紙封は「かわいい親子にゃ旅させよ・・・そげだ」。遊び心たっぷりの酒だ。蔵元の名は「千代むすび」。シャレを連発する蔵元とはおもえない、正当派の蔵名。

 さて鬼太郎。肝心の味はいかに。全員、興味津々で飲んでみる。

 口に含んだ全員が「ん?」。最初は、平板な印象。インパクトがあまり無いのだ。純米吟醸なのだが香りがあまりなく、厚みも膨らみもあまりない。妖怪に例えるなら「のっぺらぼう」的な酒だったのだ。しかも、余韻がいつまでもいつまでも口に残る。わたくしは、この、後にいつまでも残る酒がけっこう好きだ。

 この酒のタッチは、超辛口なんだとおもう。世間一般的には、超辛口酒は、ドライで、潔くキレるのだが、この鬼太郎、妖怪に例えるなら「おんぶお化け」的に、いつまでもいつまでも余韻が残る。

 この、「のっぺらぼう」的、「おんぶお化け」的なのは、水木しげるワールドを表現する手段なのかなあ、とおもう。いやはや、実にフシギな酒で、全員、呆然とし黙々と飲み続けたものだった。

 このラベルのココロを知りたくて、蔵のホームページをのぞいてみた。この商品は、「水木しげる記念館完成を祝して作りました。鳥取県西部の酒造好適米を使用。芳香で飲み口の良い清酒です」と説明されていた。たしかに飲み口が良い酒だった。

 そして、目玉おやじと一緒の旅姿ラベルについては、「『鬼太郎三度傘』 歌川広重の『東海道五十三次』の世界を妖怪たちが旅をする。水木しげるのユニークな発想から生まれた五十五図の妖怪浮世絵のひとつ。鬼太郎が股旅姿で見得を切ったところです」

 う~む、ぶっ飛んでいる。よく分からないが、なんだかすごそうだ。ある意味シュールだ。

 いま、水木しげる夫妻を描いたNHKの朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が人気だ。視聴率も好調のようだ。わたくし、朝の連続ドラマは、久しく見て来なかったが、この「ゲゲゲの女房」は見ている。出勤の準備をしながら、このドラマを見るのを楽しみにしている。

【備考】
この記事は2010年6月30日に初公開されました。

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