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【1155】電球の酒 てんきゅう(でんきゅう)【和歌山】

2013.5.9 23:23
和歌山県有田郡有田川町 高垣酒造
和歌山県有田郡有田川町 高垣酒造

【日本酒研究会月例会 全7回の7・完】 

 わたくしがイキモノラベルの酒や、面白ラベルにことのほか興味を示していることを見抜いている酒友Zさんが、メールをくれた。「イキモノ柄のお酒じゃないですが、こんなのが出たらしいですよ『電球の酒 てんきゅう』。ちょっと面白いですね(笑)」。さっそくネットで調べてみた。昔懐かしい電球に酒が入っている! これは面白い。飲みたい、飲まずにはいられない、飲む、という“飲む三段活用”で、すぐさまゲット。飲み会「日本酒研究会」の月例会に持ち込んだ。みんな、「おおおおっ」。場がどよめく。

 酒の中身は、高垣酒造の「天久 上撰」が入っている。容量は180ml。「電球」と「天久」(てんきゅう)。親父ギャグというか駄洒落の世界だ。瓶の印字は「てんきゅう」(天久)と読ませるが、小さな字「清酒」を濁点に見立て、「でんきゅう」とも読めるような仕掛けをつくっている。何からなにまで遊び心たっぷりで好ましい。

 I 「これ、ヤマダ電機で売っているの?」

 酒蛙「酒屋だよ」(冗談に真面目にこたえる)

 M 「電球をくるんでいる段ボールがいいね。昔のまんまだ。ケースの箱を留めているホチキスがいいね。懐かしいなあ」(Mの反応が面白い)

 さて、いただいてみる。金具の部分をねじってあけ、塩化ビニールの栓を抜く。ちなみに、この金具はソケットにぴったりはまるサイズだという(試してないけど)。

 酒蛙「典型的な普通酒だ」

 H 「これで、いいんだ、いいんだ」

 M 「俺、この瓶、もらったよ!」

 S 「甘みがあります。熟成感がある」

 I 「使い終わった電球は、こんな使い方があるんですね」

 みんな「あっはっは~(大爆笑)」

 もちろん冗談。よい子は真似をしちゃいけません。あ、いまの世、電球は無いか。

 酒蛙「ソケットにねじ込むことができるっんだってさ」

 誰か「光るの?」

 酒蛙「あのね、フィラメントが無いから光らないよ」(冗談に真面目にこたえる)

 S 「エジソンは電球を発明したとき、いろんなところから光る材料を集めて試した結果、日本の京都の竹を採用したんです」(妙に詳しいSである)

 H 「おおっ、それは知らなかった」

 M 「酒としてのコメントじゃなく、違うコメントばかりだね」

 H 「酒以上のコメントを引き出しているよ。いいんだ、いいんだ、これで。話が盛り上がるから、役目を十分に果たしているよ」

 M 「うん、この酒は、これでいいんだね。話題性十分だ」

 Mは、電球からロウソクに話を展開、「ロウソクの明かりは、芯の太さで決まる。いくら太いロウソクでも、細い芯だと明るくない」。いつも冗談ばかり言うMなので、みんな「また、またあ(笑)」という顔をするが、Mは「これは本当だってば!」。狼少年がたまに、本当のことを言ってもなかなか信じてもらえない。

 飲んだあと、空きビン(空き電球)はMが持っていく。店主が「欲しい」と言っても、断固持っていく。

 この「電球の酒」を取り扱っている和歌山市の松尾酒店のホームページを見ると、この酒について、以下の紹介をしている。

「なんじゃこりゃ!電球のなかにお酒が!

昔なつかしい白熱でんきゅうの瓶に、高垣酒造さんの主力商品『天久(てんきゅう)』というお酒を詰めています。蔵元の『遊び心』が窺える商品です。

飲み終わった後にはインテリアにいかがでしょうか。

ちなみに、口径は『E26』です。ご参考まで。

清酒『天久』とは、高垣酒造の上撰酒ブランドです。

命名の由来は、昭和天皇の大典記念に天下泰平と聖寿を願って名づけられたといわれています。また、創業(天保11年)から幾久しく守りつづけてきた伝統の酒ともいえます。今も変わらず郷里の人々のめでたい席にはなくてはならないお酒です。

『空海水』とともに手造りの味を引き立てたお酒です。淡麗ななかにも味わい深い旨みが特徴です」

 わたくしたちは「電球の酒」で盛り上がったあと、8番目の酒として「阿部勘 純米吟醸 亀の尾 生原酒」を飲んで〆た。そしてH居酒屋に転戦、この日9番目の酒として「月不見の池 純米 直汲み 生原酒 無濾過 中取り」(当連載【1075】参照)を飲んだ。