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【1438】今宵八雲 純米吟醸 生酒 三石小仕込(こよいやくも)【北海道】

2014.2.16 13:24
北海道二海郡八雲町 上野商店(発売元)
北海道二海郡八雲町 上野商店(発売元)

【H居酒屋にて 全2回の①】

 例によって例のごとく、週末の夕方に晩酌のため、ふらりとなじみのH居酒屋へ。酒を飲むときは、自宅よりなじみの居酒屋の方が落ち着き、楽しさが倍加するから不思議だ。豚妻とは決して不仲じゃないが、飲むときは居酒屋の方が落ち着く。だから夕方、自宅から歩いてわざわざH居酒屋に飲みに行く。

 店の冷蔵庫を見たら、見慣れないラベルの酒が鎮座していた。「今宵八雲」。店主に聞くと、北海道函館市の女性3人組が年に3-4回、H居酒屋に飲みに来るという。「なぜまた遠路はるばる?」と聞いても店主は「さあ…分かりませんね」。その謎の女性3人組がお土産に持ってきたのが、この「今宵八雲」なんだそうだ。

 発売元は北海道二海郡八雲町の上野商店。八雲町のコメ、八雲町の水を使い、地元八雲町の酒をつくろう、というわけだ。酒を造ってもらったのは地元北海道の蔵ではなく、秋田県由利本荘市の齋彌酒造店。「由利正宗」「雪の茅舎」などで高い評価を受けている酒造蔵だ。さっそく冷酒でいただいてみる。

 店主「しっかりした味だね」

 酒蛙「酸がくる。甘みと旨みもある。たしかにしっかりした味だが、すっきりした飲み口の酒だ」

 店主「ちょうど良い甘みで飲みやすい」

 酒蛙「適度に吟醸香もある」

 店主「スタンダードな吟醸香ですね」

 酒蛙「飲んでいたら、酸よりも甘みが前に出てきた。余韻は苦み」

 “まるごと地元”の酒をつくろう、という動きは、いいことだとおもう。これが酒の消費拡大につながる、とおもうからだ。従来・旧来型の販売方法だけでは、いずれじり貧になるのは、これまでの流れをみれば目に見えている。まったく新しい発想で酒を売れば、新たな消費拡大もありうるのではないか、とおもう。

 さて、この酒はラベルによると、原料米は八雲産「ほしのゆめ」80%、兵庫県産山田錦20%使用。精米歩合は55%。仕込み水は「八雲の名水100%使用(やくもウォーター、2,000万年前地層抽出地下水)」というからすごい。「ほしのゆめ」は北海道立上川農業試験場が1988年、母(「あきたこまち」と「道北48号」の子)と父「きらら397」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2000年に品種登録された飯米用品種。

 せっかく地元の酒をつくったのだから、いっぱい売っていこう、という意気込みが、ラベルの言葉に感じられる。たとえば表ラベル右肩の「ほしのゆめ新緑の水にさらさらと」や、首ラベル「太古の神秘・大地の力・冴え渡る杜氏の技がみごと溶け合う逸品です」。ただ、意気込みとは裏腹に、くどい印象を与え言葉が空回りしているような気がする。余計な言葉を拝し、キャッチコピーは、たとえば「まるごと八雲町の酒」だけの方がいいような気がする。人それぞれの考えがある、ということを十分承知したうえで、意見を言わせてもらった。

 北海道庁渡島総合振興局の「南北海道食彩王国公式サイト」は、この酒を「八雲産の米と天然水が奏でる芳醇な味」と題し、以下のように紹介している。

「地酒『今宵八雲』は、八雲町内で作られた北海道米『ほしのゆめ』と同町内で採取されているアルカリ天然水を使った地酒で、これらの原料で秋田県の老舗酒造メーカー『斎弥(さいや)酒造』に委託して年間約1,000本製造されている。

 斎弥酒造社氏の高橋藤一さんは『米と水の相性が素晴らしく、香り高くキレのあるすっきりした味わいに仕上がっている』と話す。今宵八雲は純米吟醸酒だが、大吟醸に近い55%の精米歩合。グラスに注ぐと大吟醸さながらのフルーティな吟醸香が立ちのぼり、雑味がなく奥行きを感じる味わい。毎年2月1日の発売日には、遠方から買い求めに来る客もいるという人気の地酒だ」

 北海道新聞によると、この酒は2012年2月から発売を始めたという。

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