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【1699】悦凱陣 純米 山廃仕込 無ろ過生 遠野亀の尾(よろこびがいじん)【香川】

2014.9.12 16:50
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店

【B居酒屋にて 全7回の④】

 なじみのH居酒屋の定休日は火曜日。よって、わたくしは時々、火曜日にH居酒屋の店主と飲みに出る。今回は2人でB居酒屋の暖簾をくぐった。

 B居酒屋は、約150種類の酒を常備しており、おそらくは当地で一番品揃えが多い店。酒の入れ替えがあったころ、この店を訪れると、飲んだことがない酒がいくつか冷蔵庫に入っている。それを飲むのが楽しみだ。「MUNEMASA 純米吟醸 15 夏 生吟」「ぼくとせみ」「翠露 特別純米 無濾過生原酒 しぼりたて」と飲み進め、4番目には「悦凱陣 純米 山廃仕込 無ろ過生 遠野亀の尾」を選ぶ。

 「悦凱陣」はわたくしの大好きなお酒の一つで、濃醇甘旨酸がたまらない魅力だ。「悦凱陣」の無濾過生シリーズは、使用米の品種を前面に出しているのが特徴だが、その中でも「遠野 亀の尾」に目が奪われた。

 「亀ノ尾」は明治時代の飯米品種のエース。今で言うコシヒカリ的存在だった。酒造に適していることも当時から知られていたが、栽培しにくい欠点があり姿を消した。それが復刻したいきさつについては当連載【43】の「清泉 純米大吟醸 亀の翁」(http://www.47news.jp/feature/sake/2010/03/43.html)に書いているので、ここでは触れない。しかし、岩手県遠野市産の「亀ノ尾」は初めて見たので、今回、ぜひこの酒を飲もう、と選んだ。まずは冷酒で。

 酒蛙「甘旨酸っぱい。濃醇だ。味がしっかりしている」

 店主「旨い、旨い、旨い、旨いっ!!!」

 酒蛙「シャープ感と苦みが強く、いかにも『亀の尾』仕込み。余韻の苦みがすごい。味が強いなあ。しっかりした味だ」

 店主「味は強いけれど、さほど強いとはおもわない。ふつうに旨い。文句無し」(この場合の「ふつう」は若者言葉で、「かなり」というニュアンスが込められている)

 酒蛙「このシャープ感と苦みが、『亀の尾』っぽい」

 店主「この苦みがいい。ふつうの苦みだ」(この「ふつう」も若者言葉で、「かなりいい苦み」というニュアンスだ)

 酒蛙「酸のパンチがいい。苦みもがいい」

 店主「濃いなあ。どんどん味が膨らむよぉ~♪ 旨いっ!」

 酒蛙「若干、古本屋的な風味がある」

 店主「酸が、いいあんばいで、目立たないのがいい」

 「悦凱陣」は総じて燗酒に向いており、ぬる燗にすると、味が膨らみ、桃源郷へといざなってくれる。で、ぬる燗を所望した。このB居酒屋は常に湯煎器にお湯をたたえており、ジャスト40℃の燗酒をつけてくれた。見事あっぱれな仕事ぶりに感動する。そして予想通りの味わいだった。

 酒蛙「旨みがさらに膨らむ。甘みも出てくる」

 店主「あ、旨っ! タッチが丸くなる」

 酒蛙「やわらかくなる」

 店主「辛みが前面に出てくる。甘みも出てくる。これはいいなあ」

 酒蛙「甘旨酸。丸くて、やわらかい。そして苦みが全体を引き締める」

 店主「これはいい」

 酒蛙「キレも良い」

 ラベルによると、精米歩合は70%。

 なお、B居酒屋は「悦凱陣」をウリにしているようで、7種類の「悦凱陣」をラインナップに入れており、写真の背景のように、カウンターに多くの「悦凱陣」の空き瓶をディスプレイしている。