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【1829】一博 純米吟醸 うすにごり生酒(かずひろ)【滋賀】

2014.12.23 12:09
滋賀県東近江市 中澤酒造
滋賀県東近江市 中澤酒造

【H居酒屋にて 全2回の②完】

 週末の午後、ちょっとした会合があり、“昼酒”をやった。ほろ酔い気分が抜けかけた夕方、こんどは晩酌のため、なじみのH居酒屋へ。酒を飲まない人からすれば、アホみたいな行動に見えるかもしれないが、酒飲み人的にはまったく自然な流れなのだ。

 H居酒屋では、ホワイトボードにフェルトペンで書かれている酒メニューの上から順番に飲んでいくことにしているから、今回は「初雪盃 純米 原酒 生酒 媛育」を飲む番だ。「初雪盃」を冷酒とぬる燗の双方で飲んだあと、店主が「これなんて、いかがでしょうか?」と言いながら、冷蔵庫から1升瓶を出してきた。

 「一博 純米吟醸 うすにごり生酒」である。「あ、それ、こないだ飲んだよぉ~」と声を上げる粗忽もののわたくし。店主は即応し「それは『一博 純米 うすにごり生酒』(当連載【1744】)。今回は純米吟醸なんです」。聞くと、この「一博 純米吟醸 うすにごり生酒」は前回の「一博 純米 うすにごり生酒」同様、わたくしの同僚Mの持ち込み、という。Mは滋賀県に勤務していたとき、この双方をたいそう気に入り、ずいぶん飲んだ、とのこと。お気に入りのお酒をわざわざ取り寄せ、H居酒屋の店主とわたくしに味わってもらおう、と店に持ち込んだ。20歳代半ばの若者とはおもえない、嗜好と思考だ。

 店主「酸がすごい。味が強く感じる」

 酒蛙「見た目はかすかなオリだが、オリ味がやや強く、いかにもうすにごり、といった感じの味。酸があって、甘みがあって、旨みたっぷり。しっかりした味。吟醸香はあまり感じない。旨いなあ」

 店主「オリくさい。粉っぽい。一瞬、上顎に苦みがくる」

 酒蛙「うん、余韻は苦み。これ、めちゃくちゃ旨いよぉ~!!!」

 店主「『一博 純米 うすにごり生酒』の方が軽かったかな」

 酒蛙「ふくよか、まろやか!」

 店主「わっ、酸っぱい!」

 酒蛙「直前に飲んだ『初雪盃』もストライクど真ん中だったけど、これもストライクど真ん中。どぶろくっぽい、ちょっと昔の酒っぽいノスタルジックな味わいがたまらない」

 前回の「一博 純米 うすにごり生酒」は、原料米が滋賀県産「吟吹雪」100%で、精米歩合は60%。今回の「一博 純米吟醸 うすにごり生酒」は、ラベルによると原料米が滋賀県産「山田錦」100%(環境こだわり農産物)で、精米歩合は55%。酵母は同じ14号。造りは同じでも、コメと精米歩合が違っているのだ。

 なぜ「一博」という酒名なのだろうか。これについて2012年7月13日付のブログ「今宵も家呑み」が触れているので、以下に転載する。

「滋賀県東近江市、中澤酒造(有)さんのお酒です。しかし、実際にこの酒が造られてるのは『大治郎』で知られる畑酒造。それというのも中澤酒造は現在休造中だからです。

 三代目(?)となる中澤一洋氏が(反対を押し切り)跡を継ぐため蔵に入り、酒造りを学ぶも蔵は休造に。酒造りを諦めきれない一洋氏は、同じ市内の畑酒造で蔵人として働きながら酒造りを学び、タンクを借り自ら杜氏として仕込み始めたのが『一博』です。

 『一博』という銘柄は、酒造りを学んだ中澤酒造『坂頭宝一』杜氏、畑酒造『谷内博』杜氏、そして自分の名前の『かずひろ』を合わせたもの。平成16年(2004年)に一本のタンクから始まった『一博』は、現在約50石ほどにも。…」

 テレビドラマ以上のドラマである。