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(1)「友」 手と手を合わせて誓う

2008.3.29 13:57
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 漢字は今から、約3200年前、中国・殷(いん)王朝の王様が、神様と交信するために作った甲骨(こうこつ)文字がルーツです。亀(かめ)の甲羅(こうら)や牛の骨などに文字を刻んで、神様の判断を占ったのが甲骨文字です。その後、文字を青銅器に鋳込(いこ)んだ金文という文字も生まれました。

 この甲骨文字や金文など、漢字の古代文字の精密な研究から漢字の古里・中国にもない新しい漢字の体系を作りあげて文化勲章(くんしょう)を受けたのが、漢字学者の白川静さん(2006年死去)です。白川さんの研究にそって、これから漢字物語を書いていきたいと思います。

 まず「右」と「左」という漢字です。「右」は片仮名の「ナ」に似た形と「口」でできています。「ナ」は古代文字ではフォークのような字形。これは「手」の形です。

 「口」は耳口の「くち」ではなくて、神様へのお祝いの祝詞(のりと)をいれる器の形です。「口」の字形が「くち」ではなくて、祝詞を入れる器「サイ」であることを明らかにしたのが、白川さんの漢字学の最大の発見であると言われています。

 その「サイ」を「手」に持って、神様に祈(いの)る字が「右」です。また「サイ」は右手で持ちましたから、「みぎ」の意味となりました。

 では「左」はどうでしょう。やはり「ナ」は「手」です。「工」は神様にのろいをかける呪術(じゅじゅつ)の道具の形です。左手に神への呪術の道具を持って祈る字が「左」です。

 そして「又(また)」という字形も「手」の形です。古代文字の形を見てもらうと、「右」「左」の古代文字の「ナ」と同じ形をしているのがわかってもらえると思います。

 以上を理解して「友」という字を見ると「ナ」と「又」を合わせた形であることがわかりますね。「ナ」も「又」も「手」のことですから、「友」は手と手を合わせた形。同族の者が手と手を合わせて友愛を誓(ちか)う字が「友」なのです。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

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