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【2705】江戸開城 純米吟醸 原酒(えどかいじょう)【東京】

2017.1.19 22:20
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【2705】江戸開城 純米吟醸 原酒(えどかいじょう)
【2705】江戸開城 純米吟醸 原酒(えどかいじょう)

 飲んだことのない蔵の酒を飲むことに生きがいを感じている。これまで約930蔵の酒を飲んできたが、飲んだことのない蔵の酒がまだまだある。大手酒屋さんに行くと、まず探すのは未飲蔵酒。こういう行動パターンで見つけたのが「江戸開城 純米吟醸 原酒」だった。

 ラベルの醸造元名を見てびっくりした。東京都港区芝の東京港醸造とあるではないか。これまで、わたくしの認識は、東京23区内の造り酒屋は北区の小山酒造(主銘柄・丸眞正宗)ただ1カ所だった。それが、都心に近い港区に蔵があったとは!

 蔵のホームページを見てみたら、2016年に清酒造りをなんと105年ぶりに復活させた蔵だという。仰天した。詳細は後述することにし、まずはテイスティング。自宅での晩酌酒としていただく。

 まずは冷酒で。立ち香・含み香は、吟醸香が華やか。非常にフルーティー。とろみがあり、芳醇で甘旨酸っぱい。やや濃醇で、とてもしっかりとした味わいだが、キレが非常に良い。このため重くは感じない。余韻の苦みと渋みが長く続く。

 香り・旨み・甘み・酸味・苦み・キレというそれぞれの要素の“いいとこ取り”を集めた結果、こういう酒ができました、という感じの酒だ。温度がすこし上がると、どっしり感が非常に出てくる。

 次に、ぬる燗にしていただく。湯煎で温度は40℃ちょうど。甘旨酸っぱさが強くなる。甘旨酸っぱさに辛みが加わるから、強さを感じるのか。非常に力強いタッチになる。どんなに味が濃い料理にも合わせられる強さを持ち併せている。酢豚でもステーキでもハンバーグでも豚角煮でも佃煮でもOKだ。

 甘旨酸っぱくてやや濃醇という、時流に合った味わいのお酒だった。

 ホームページによると、「江戸開城」はロットごとにスペックが違っており、それぞれのスペックがホームページで公開されている。わたくしが飲んだロット番号は「TS-6」だった。ホームページによると、原料米は滋賀県産「山田錦」で、精米歩合は50%。純米大吟醸クラスだ。

 蔵のホームページは、東京港醸造の母体である「若松屋」の歴史を以下のように説明している。

「東京芝の酒『江戸開城』の由来は弊社(若松屋)に伝わる歴史にあります。

 幕末、芝で造り酒屋を営んでいた若松屋は薩摩藩の御用商人でした。当時の若松屋には奥座敷があり、直接東京湾に通じる水路があったと言われています。隠密に会合を持つには格好の立地だったため多くの要人たちの密談の場となり、西郷隆盛、勝海舟、山岡鉄舟、高橋泥舟と言った歴史に名を残す偉人が頻繁に訪れていたと言われています。現在も若松屋に残る掛け軸はそれら偉人が酒代の代わりに残していった物なのです。若松屋は開国と江戸城無血開城という文明開化を目指した藩士たちの密談場でもありました。

 やがて明治時代になり後継者問題、酒税法の変化に伴い若松屋は1812年から約100年間続いた酒造業を1911年に廃業する事となりました。幕末、動乱の時代を生き抜いた若松屋の歴史と伝統に敬意をはらい代々継承されてきたこの地で新たに酒造りを復活させたのです」

「酒造業の幕を下した若松屋ではありますが、その後、食堂としての経営が続けられました。戦後も雑貨業を生業に、その経営を続け、そしてついに平成17年、なんとかその歴史を紡いでいきたいとのおもいから酒造としての若松屋の再興を果たしたのです」

 また、蔵のホームページは、105年ぶりに清酒蔵を復活させたことについて、以下のように説明している。

「2011年、東京都港区芝に酒造りの観点からは新しい試みと言える都心での酒蔵を開業致しました。敷地22坪 鉄筋コンクリート4階建てビル内で徹底した温度管理の元、年間を通し酒造りをしています。開業当初、その他の醸造酒・リキュール免許を取得しどぶろく、リキュールの製造を主にしておりました。2016年7月、清酒製造免許を取得することができ現在は念願の清酒製造販売を開始しております。都心で醸す酒蔵として少量ながら新鮮で高品質な製品を皆様の元へお届けします」

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