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【2879】賀儀屋 純米 生原酒 しずく媛 初仕込壱番しぼり(かぎや)【愛媛】

2017.4.29 0:58
愛媛県西条市 成龍酒造
愛媛県西条市 成龍酒造

【Z料理店にて 全5回の①】

 ほぼ1カ月ぶりに、近所のZ料理店へ。大好きなイカをお供に、カウンターで一人飲む。背中に冷蔵庫。酒を自由に取り出すことができる。わたくしの好きな場所だ。店主は、わたくしが飲んだことのないだろう酒を入れてくれるからうれしい。

 冷蔵庫を見たら、わたくしがまだ飲んだことのない酒が5種類鎮座していた。店主がわたくしのために入れてくれた酒だ。ありがたい。その中からまず「賀儀屋 純米 生原酒 しずく媛 初仕込壱番しぼり」をいただく。「賀儀屋」はけっこう飲む機会のあるお酒で、当連載でもこれまで4種類を紹介している。濃醇でしっかりした味わいの酒、というイメージをもっている。これはどうか。

 おおっ、旨みたっぷり、甘みもあり、酸もあり、これは旨いっ! 甘旨酸っぱく、厚みたっぷり、とろみあり濃醇。しかし、濃醇だけどくどくない。旨みに凝縮感があり、ジューシー。香りは抑え気味。旨みと酸の絡み具合が非常に良い。エンディングは苦み。濃醇フルボディー酒だが、キレが良い。わたくしのストライクど真ん中の旨酒だった。

 瓶の裏ラベルは、この酒のコンセプトと飲み口を以下のように紹介している。

「西日本最高峰『石鎚山』から吹く風が冷たくなる12月。成龍酒造のお酒造りはそんな自然から届く冬の知らせと同時に始まります。全てのお酒を同じ気持ちで醸していく中で、一番最初というのは特別です。このお酒には、初仕込独特の張りつめた緊張感と希望、お酒造りが出来る喜びや感謝、良酒醸造への私達の想いが全て詰まっています。創業140周年を迎えた2017年、これまで真価とこれからの進化をテーマに醸したこの『初仕込酒』は昨年までの酒質を一新し、愛媛発の酒米『しずく媛』と愛媛の新酵母『EK-7』から生まれました。心地いい爽やかな香りとキレの良い後口、そして日を追う毎に熟成向上している《はじまりの雫》を心ゆくまでお楽しみいただければ幸いです」

 ラベルの表示は「使用米 愛媛県産しずく媛100%、精米歩合60%」。「しずく媛」は愛媛県農林水産研究所農業研究部が1999年、酒造好適米「松山三井」の細胞培養による突然変異株を得、育成と選抜を繰り返し開発。2010年に品種登録された新しい酒造好適米だ。

 この蔵の主銘柄は「御代栄」。別銘柄「賀儀屋」の名の由来とコンセプトについて、蔵のホームページは以下のように説明している。

「蔵元屋号から命名された伊予賀儀屋。

食べながら飲むというあくまで食事を引き立てる脇役を考え、自然になくなる酒を目指しています。食文化あっての日本酒の世界を原点から見つめなおし、全て炭濾過を一切施さない無濾過仕上げ。丁寧に小仕込で醸された賀儀屋は1本1本、手作業による瓶燗火入れ作業のあと、半年近く寝かされ味のりを待って出荷される定番酒とそのままを楽しむ生原酒などの限定酒によって構成されています。手作業を多く取り入れるため年間生成数量にも限りがあり現在、特約店制度の中流通限定品として出荷されています」