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ヨーロッパ選手権inベルリン~その3~

2018.10.12 10:00 女流二段 北尾まどか
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対局結果を入力するダニエルさん(左)とオリバーさん
対局結果を入力するダニエルさん(左)とオリバーさん

 

 前回のコラムに書いた通り、ベルリンで行われたヨーロッパ選手権はこれまで私が見てきたどの大会よりもスムーズな運営で、感心することばかりでした。

 この大会を支える「縁の下の力持ち」であるドイツ将棋連盟の皆さんがどのようにして大会運営を行ったのか、主催者のフランク・レーヴェカンプさんにうかがいました。

開会式であいさつするフランク・レーヴェカンプ会長
開会式であいさつするフランク・レーヴェカンプ会長

 

 ベルリンで開催することを考え始めたのは2年ほど前だそうです。
 100人以上が集まって4日間も将棋を指すため、まずは会場の確保が最優先となります。
 日独センターというぴったりの空間が見つかったことで、本格的に計画がスタートしたそうです。

 

 ドイツでは、ずいぶん前から将棋が指されており、各所に将棋クラブがあります。その主宰者それぞれに役目を割り振り、みんなで責任を持って少しずつ準備を進めてきたとのことです。
 ベルリンのダニエルさんは会場に足を運んでレイアウトなどを調整しました。

 

 ルートヴィヒスハーフェンのオリバーさんは各クラブと連絡を取り合って将棋盤や駒、対局時計などの備品を調達、カールスルーエのモニカさんは入賞トロフィーの制作。そしてヨーロッパ将棋連盟の会長でもあるフランクさんは渉外と広報を担当されました。

 

閉会式で運営メンバーが紹介された
閉会式で運営メンバーが紹介された

 フランクさんに「今回、特に力を入れたことは何ですか?」と聞いたところ、「まず、できるだけ多くの人が集まることを目指しました。これまでで最大の130人参加の大会となってうれしいです。そして基本的なことですが、トラブルがなく、できるだけ気持ちよく将棋を指せるように運営すること。今の世の中はいろいろ難しいことがあり、欧州の中でもめているところもあります。でもここでは、ウクライナの人でもロシアの人でも一緒になって将棋を指し、そして夜になったらビールを飲みに行くとか。将棋を通じて、いろいろ国際的な交流ができるのはいいことです」と答えてくれました。

 

 私は2011年から毎年訪問し、各大会の様子を見てきました。最近は東欧での開催が多く、その隣国からの参加が多かったのですが、今回の大会は東欧からも西欧からも参加者が大勢集まったので、さぞかし気を使うことが多かったに違いありません。

 予定されたスケジュール通りに大会を進行し、良い雰囲気の中で対局ができたのは、分かりやすい掲示物や会場の動線をはじめ、細部まで配慮の行き届いた準備のおかげにほかなりません。

 

 いつも全体を見渡して、どんな質問や意見にも落ち着いて対応し、笑顔を絶やさないフランクさん。その誠実さと公平さで多くの国が集まる欧州の将棋界をまとめ、長い時間をかけてここまで成長させ、この大会を大成功に導いたことに、あらためて尊敬の念を抱きました。(北尾まどか)

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

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