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名パスラッシャー、LBマックが電撃トレード レイダーズからベアーズへ

2018.9.4 12:00 生沢 浩 いけざわ・ひろし
レイダーズからベアーズへ電撃トレードされたLBマック(AP=共同)
レイダーズからベアーズへ電撃トレードされたLBマック(AP=共同)

 

 NFLは9月6日(日本時間7日)に2018年シーズンの開幕日を迎える。

 開幕カードはスーパーボウルチャンピオンの地元で開催するのが恒例で、今季は王者イーグルスが一昨年のNFC優勝チームであるファルコンズを迎える。

 

 

膝の故障が癒えず、開幕には間に合わない昨季の王者イーグルスのエースQBウェンツ(AP=共同)
膝の故障が癒えず、開幕には間に合わない昨季の王者イーグルスのエースQBウェンツ(AP=共同)

 ペイトリオッツを破ってフランチャイズ初の王座を獲得したイーグルスだが、昨季終盤に膝の靱帯を断裂したエースQBカーソン・ウェンツはまだコンタクトを受けられる状態ではなく、開幕戦には間に合わなかった。

 

 彼のあとを引き継いで、スーパーボウルでMVPに輝いたニック・フォールズが少なくとも9月いっぱいはスターターを務める見込みだ。

 

 6日に行われるのはこの1試合だけで、9日(同10日)に13試合、10日(同11日)に2試合が行われる。

 

 

 開幕に向けて各チームの登録選手数を53人に絞る最終ロースターカットが1日に行われたが、この日にとんでもないトレードが起こった。

 

 現在のNFLでトップのディフェンス選手であるOLB/DEのカリル・マックがレイダーズからベアーズに放出されたのだ。これはベアーズの所属するNFC北地区の攻撃コーディネーターにとっては頭痛の種となりそうだ。

 

 

 マックは2014年のドラフトで1巡(全体の5番目)指名を受けてレイダーズに入り、昨年までの4年間で計40.5サックを記録し、3度のプロボウル選出に加え2度のオールプロ入りを果たしている。2016年には最優秀守備選手にも輝いた。

 

 本来ならマックはレイダーズが絶対に手放したくない選手だ。今季のAFC西地区は好パサーのフィリップ・リバースを擁するチャージャーズが有利とされ、QB難にあえいだブロンコスもバイキングズからケース・キーナムを獲得した。

AFC西地区は、好パサーのQBリバースを擁するチャージャーズの前評判が高い(AP=共同)
AFC西地区は、好パサーのQBリバースを擁するチャージャーズの前評判が高い(AP=共同)

 

 

 2年目のパトリック・マホームズに先発の座を与えたチーフスを含め、マックのパスラッシュ力は相手オフェンスにプレッシャーをかけるために不可欠だったはずだ。

 

 

 ところがマックはNFL入りの際に締結した契約の見直しをめぐってレイダーズと対立し、このオフはチームの練習に一切参加していなかった。

 

 今季から10年ぶりにNFLの現場に戻ったジョン・グルーデンHCはレジー・マッケンジーGMと協議してマックの放出に踏み切った。敏腕のマッケンジーをして「全く想定していなかった」ほどのトレードだから、チーム内の動揺も少なくないだろう。

 

 

 動揺しているのはNFC北地区も同じだ。ベアーズと開幕戦で対戦するパッカーズは対策を急がなければならない。

 

 トレーニングキャンプやプレシーズンゲームに出場していないため、マックが開幕戦から出場する保証はないが、ベアーズのマット・ナギー新HCは出場の可能性を否定しない。

 

 

 パッカーズは昨年、エースQBアーロン・ロジャースが故障で長期欠場を余儀なくされ、8年ぶりに負け越しをしてプレーオフを逃した。

巻き返しを図るパッカーズのキーマン、QBロジャース(AP=共同)
巻き返しを図るパッカーズのキーマン、QBロジャース(AP=共同)

 

 

 それだけにマックのヒットによってロジャースが再び負傷する事態は避けなければならない。

 

 

 パッカーズだけでなく、QBマシュー・スタッフォードのパスが命綱のライオンズ、カーク・カズンズを新先発QBに迎えたバイキングズと、年に2回マックと顔を合わせることになったNFC北地区のチームはゲームプランの練り直しが必要だ。

 

 たった一人の加入でこれだけの影響が出るところにマックのディフェンス選手としての能力の高さがある。

 

 

 今年のレギュラーシーズンは12月30日(同31日)に最終日を迎え、翌週からプレーオフがスタート。第53回スーパーボウルは、2月3日(同4日)にファルコンズの本拠地メルセデスベンツ・スタジアムで行われる。

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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