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【3466】姿 純米吟醸 無濾過生原酒 愛山(すがた)【栃木県】

2018.7.6 22:25
栃木県栃木市 飯沼銘醸
栃木県栃木市 飯沼銘醸

【B居酒屋にて 全6回の④】

 会社から帰り、ふらりと近くのB居酒屋へ。2週間ほど前に訪れたとき、店長が「そろそろ、酒の入れ替えをしようかな」と言っていたのをおもいだし、暖簾をくぐったのだった。まだ飲んだことのない酒が数本入っており、冷蔵庫の中に鎮座していた。

「まんさくの花 巡米吟醸 愛山 28BY」「播州一献 純米吟醸 愛山 生酒 澱絡み」「赤武 AKABU 純米吟醸 愛山」に続いていただいたのは「姿 純米吟醸 無濾過生原酒 愛山」だった。店長は「『愛山』をそろえてみました」となかなかマニアックなことを言う。ならば、全部飲んでみようではないか! となんだか戦闘態勢モードだ。それにしても「愛山」4連発とはすごい。

 使用米の「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。しかし、希少品種ゆえ近年、人気が高まりつつあり、「愛山」を使う蔵が急上昇中だ。

 さて、「愛山」4連発目のこの酒をいただいてみる。甘旨酸っぱい。これが第一印象。とろみあり、厚みがかなりあり、ジューシー、濃醇。余韻は軽い苦み。甘>旨>酸という味の出方。果実感が華やか。甘みの強いスイーツを飲んでいるようなイメージだ。

 瓶の裏ラベルの表示は「使用米 愛山100%、精米歩合55%、酸度1.8、アルコール度17.3%、日本酒度±0、製造年月 平成30年3月、出荷年月 平成30年4月」。

 製造年月と出荷年月それぞれのタイムスタンプを表示しているのは、とても親切で、他蔵もぜひ倣っていただきたい。ふつうのラベル表示は製造年月だけ。これが消費者にとっては非常に分かりにくい。一般的にはいつでも出荷できる態勢が整った年月が製造年月だが、必ずしもこの意味での製造年月を表示していない蔵もあり、意味がまちまちなのが現状だ。今回のように製造年月と出荷年月を分けて表示すれば、消費者が戸惑うことはない。また、どのくらい貯蔵・熟成されたのかも分かる。

 酒名「姿」の由来について、コトバンクは「酒名は、『搾ったままのそのままの姿の酒』の意」と説明している。

 この蔵の主銘柄は「杉並木」。この由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『杉並木』の酒銘は、日光杉並木街道に由来し、街道筋には現在も一万三千本以上が成長を続けており、総延長三十五kmにも及ぶ並木が残されています。日光例幣使街道に面する西方町は良質な米の産地として、戦前から有名な田伏流水を使用し、そこで醸されるお酒は、新潟杜氏の技と相まって、スッキリしてしかも味わいのある風味を出しております。又、地元産の酒米の山田錦を使用した純米吟醸酒『杉並木 年輪』の味わいが好評を博しております。
  江戸時代、諸国の大名が東照宮に競って、高価な金品を寄進するなかで松平正綱は寛永年間から20余年を費やし、約十万本の植樹を行ったのが杉並木の謂れである」

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