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【3453】ロ万 純米吟醸 だぢゅー(ろまん)【福島県】

2018.6.27 20:43
福島県南会津郡南会津町 花泉酒造
福島県南会津郡南会津町 花泉酒造

【B居酒屋にて 全9回の⑥】

 なじみのB居酒屋が、訳あって引っ越しすることになった。急な話だったようで、新しい店のフロア面積は半減するとのこと。この店は約200本の全国各地の地酒を冷蔵庫に入れているのが魅力。店舗面積が減れば、酒の本数も落とさなければならない。しかし「大丈夫ですよ。安心してください。蛙さんが喜びそうなお酒を引き続き入れますよ」と店長はうれしいことを言う。

 ということで、新装なった店を訪問、瓶ラベルの写真が上手く撮れそうなカウンター席に座る。「七賢 天鵞絨の味 純米吟醸 生酒」「まんさくの花 生酛 純米吟醸 亀の尾仕込」「若駒 愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒」「白露垂珠 純米大吟醸 氷温熟成 円熟」「若波 純米大吟醸 山田錦 生酒」に続いて6番目に選んだのは、「ロ万 純米吟醸 だぢゅー」だった。
 
 花泉酒造のお酒は、今回のお酒を含め、これまで当連載で、「ロ万」を6種類、「花泉」を2種類取り上げている。「ロ万」は甘みの立つ、飲み応えのある濃醇酒というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 グラスに注ぐと、ほんのすこし、うすにごり。含む。甘いっ! とろみあり、ふくよか。バナナのようなセメダイン香(ベンゼン環芳香族系の芳香)のような果実香がほのか。酸味が出てこないので、全体的にまったりとした調子。やっぱり、従来のイメージ通り、甘みが味を支配する。しかし、嫌な感じの甘みではない。旨みもしっかりある。余韻は軽い苦み。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「米、水、人。本当の意味の『地酒』にこだわりぬいた酒」
「この酒(さげぇ)飲んみゃれ うんめぇだぢゅー。だぢゅーとは、花泉のある南会津南郷地域に、脈々と受け継がれてきた土着言葉、親しみを込めた強調語です。『この酒(さげぇ)飲んみゃれ うんめぇだぢゅー』。そう言いながら南郷人は昔から、酒を酌み交わしてきました。『人』と『郷』とが醸し出す本当の味。郷土愛にあふれるお酒が『からだぢゅー』に浸みわたります」

 また、裏ラベルでは、「ロ万シリーズ 5つのこだわり」と題し、以下の口上を載せている。

 米…100%会津産米全量自家精米
 水…水源の森百選 名水「高清水」
 蔵人…地元南会津南郷地域の人
 酵母…福島県開発「うつくしま夢酵母」
 業…伝統の「もち米四段仕込み」

 裏ラベルの表示は「精米歩合60%、アルコール分15度、使用米 麹米五百万石21% 掛米夢の香71% ヒメノモチ8%」。

「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 ふつう、酒は三段仕込みで醸される。これは、蒸米・麹米・水を、3回に分けてタンクに投入する、という意味だ(1回目だけは酒母も入れる)。一度にまとめて投入すると、乳酸が薄まり、雑菌が繁殖する恐れがあるため、乳酸を増やしながら分けて投入する。

 この酒は、さらにコメ全体の9%にあたる「もち米」を4回目に投入しているのだ。4段仕込みはたまにみられ、「旭の出乃勢正宗」(長野県)なども行っている。その効果については、はっきりしたものはないが、濃醇・芳醇になり甘みがより出てくる、といわれている。

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