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【3388】刈穂 山廃 純米吟醸(かりほ)【秋田県】

2018.5.13 22:57
秋田県大仙市 秋田清酒
秋田県大仙市 秋田清酒

【Z料理店にて 全6回の③】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

「Sasanami~ささなみ~春 純米大吟醸 生」「山城屋 Standard class 純米大吟醸」に続いていただいたのは、「刈穂 山廃 純米吟醸」だった。「刈穂」は飲む機会の多い酒で、当連載では12種類を取り上げている。味にしっかり芯のある辛口酒、というざっくりとした印象を持っている。この酒はどうか。いただいてみる。

 店主「同じ山廃でも、直前に飲んだ『山城屋』よりも、こちらの方が一般的に飲みやすい」
 酒蛙「やわらかなタッチ。わたくしの好きなセメダイン香(ベンゼン環芳香族系の芳香)がいる、いいね。さっぱりした飲み口で辛口系だが、旨みがあり、奥に酸がある。クセが無く、上品で、飲みやすい山廃だ」

 山廃仕込みの酒というと以前は、酸がくっきりとして濃醇で力強い酒、というイメージが長くあった。しかし、近年は「仙禽」(栃木県)などにみられるように、とんがった主張が無く、やわらかできれいな、バランスの良い山廃仕込み酒を醸すようになってきており、ひとつのトレンドになりつつある。今回の「刈穂」の山廃も、後者に属するとわたくしはおもう。

 瓶の裏ラベルはこの酒を以下のように紹介している。

「さわやかな果実様の香を持ち、繊細な酸と凝縮されたきれいな旨味が調和しています。長期の丁寧な低温醗酵による伝統的な山廃仕込みに蔵人が独創性を加えて生み出した刈穂独自の山廃スタイルをお楽しみ下さい」

 また、蔵のホームページはこの酒を「味のタイプ=さわやかな香りを持つやや辛口」と紹介している。

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 秋田酒こまち100%、アルコール分16度、精米歩合50%」。スペック的には純米大吟醸級だ。「秋田酒こまち」は秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 酒名「刈穂」の由来について、蔵のホームページは以下のように紹介している。

「刈穂の酒名は、飛鳥時代の天智天皇(626年-671年)の和歌『秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ』に由来します。この詩は田畑を耕す農民の生活を思いやった和歌といわれており、酒造りをするものにとって深い意味を持っています」

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