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【3375】杉勇 生酛山卸 雄町 純米 原酒 しぼりたて生(すぎいさみ)【山形県】

2018.5.7 21:49
山形県飽海郡遊佐町 杉勇蕨岡酒造場
山形県飽海郡遊佐町 杉勇蕨岡酒造場

【Mうなぎ屋にて 全2回の②完】

 異業種間交遊の日本酒研究会は毎月、M居酒屋で開いている。が、ときどき、OBメンバーも交え、Mうなぎ屋でも開いている。本番の研究会は毎月だが、Mうなぎ屋での飲み会は不定期。今回は研究会幹事会新年会の名目だ。まあ、飲むためには、なんでも理由はつくものだ。

 Mうなぎ屋は、女将さんが超美人で、利き酒能力&表現力が抜群。恐れ入る実力者だ。だから、出すお酒は女将さん任せにすることが多い。今回、トップバッターとして持ってきたのは「南部関 純米酒 花巻農業高校産米使用 ヒカリノミチ 無濾過生原酒」だった。そして、いくつか飲んだことのある酒を飲んでからいただいたのが「杉勇 生酛山卸 雄町 純米 原酒 しぼりたて生」だった。

 この蔵の酒はこれまで「赤福助 特別純米 生酛仕込 辛口」(当連載【717】)と「鎌鼬 純米辛口原酒」(当連載【1196】)という、ユニークラベルの酒2種類を飲んだことがある。

 ところで「生酛山卸」とうたっているが、屋上屋的な表現で、ほかのメーカーの「生酛」と同じ意味である。酒造りにおいて、酒母(酛)は、自然界の乳酸菌を取り込み育成する「生酛系酒母」と、醸造用乳酸を添加する「速醸系酒母」の2種類がある。このうち「生酛系酒母」は、「生酛」と「山廃酛」の2つに分かれる。「生酛」は蒸し米をすりつぶし糖化を早める山卸(やまおろし)作業を行い、「山廃酛」は蒸し米をすりつぶさず麹の酵素で米を溶かす方法で、山卸作業を廃止するから「山廃」と呼ばれている。このように「生酛」を名乗るとき山卸の意味を含んでいるのである。したがって、「生酛山卸」という表現は屋上屋なのである。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 酒蛙「ちょっと濃醇に感じる」
 K 「そうですね」
 Y 「濃い。鼻に抜ける『ツーン』がすごい」
 酒蛙「甘み、旨み、酸が出ており、余韻は辛みと酸」
 B 「酸が立っているね。苦みが舌の奥で広がりますね」
 酒蛙「やわらかな酒質だが、複雑且つ奥行のある味わいだ」
 B 「酸味がすごいっす」
 酒蛙「そうそう、そうですね」
 K 「『杉勇』は、昔から強かったんだ」(Kは山形県鶴岡市出身)
 酒蛙「え? 何が強かったの?」
 K 「濃いめの酒だったんだ」

 瓶の裏ラベルの表示は「アルコール分17度、原料米 雄町100%、精米歩合60%、使用酵母 協会701号」。

 酒名「杉勇」の由来について、コトバンクは「酒名は、酒林や樽などの材料となり酒になじみの深い杉にちなみ命名」と説明している。

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