メニュー 閉じる メニュー

(133)「団」 袋の物をうち固めて丸く

2011.2.14 9:56

 ノーベル化学賞受賞の鈴木章(すずき・あきら)さんと根岸英一さんは有機化合物の合成という分野の専門家で、2人とも理学博士です。

「団」

 でもここで化学のことを紹介(しょうかい)したいわけではありません。この「専門」の「専」と「博士」の「博」という字について説明したいのです。

 「専」の右上に点がなく、「博」には右上に点があります。この二つの文字の区別も漢字を学び始めたばかりの人たちが必ずぶつかる難問です。

 いや大人になっても、どっちの字に点がついていたか、つい忘れてしまいます。そこで何回か、この「専」と「博」に関連した漢字の紹介をしたいと思います。

 まず今回は点がない「専」に関係した文字の説明をしましょう。最初に「伝」「団」「転」という文字の元の旧字「傳(でん)」「團(だん)」「轉(てん)」を見てください。これらには「専」の旧字形「專(せん)」がすべてふくまれています。

 「專」の「寸」という字は何回か説明していますが、「手」の形です。その「寸」以外の上の形の部分は古代文字のほうが分かりやすいので、まず古代文字を見てください。これは袋(ふくろ)の中に物を入れた形です。

 つまり「専」(專)は、袋の中に入れた物を手(寸)でうって丸い形にしたもののことです。

 そして「伝」(傳)は物が入った袋を「人」が背負って行く姿のことです。背負って運ぶので「はこぶ」「つたえる」などの意味になりました。

 袋の中に物を入れて、手(寸)でうち固めて丸い形にしたものを、さらに外から包んだ形が「団」(團)です。

 このように袋の中の物をひたすら、うち固めるので「專」(専)は「もっぱら」の意味となり、「専門」などの言葉も生まれたのです。

 「転」(轉)は「まるめたもの」は回りやすいので、「ころぶ」の意味となったのです。「自転車」など車輪のまわることを「転」というのもここからです。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

最新記事

関連記事 一覧へ