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(138)「型」 鋳物を作るための鋳型

2011.3.28 11:47

 古代中国での法の在り方や刑罰(けいばつ)に関係した字を何回か紹介(しょうかい)してきました。現代でも「刑法」という法律がありますが、これは犯罪者を罰する「刑罰」の規定のことです。その最後に「刑」という字について、まず紹介したいと思います。

「型」

 古代文字を見てください。現在の「刑」の字形とは異なっていて、左部分が「井(せい)」の形でした。

 この場合の「井」は首にはめて自由をうばう首かせの形です。まず刑罰は首かせをはめることでしたが、後に鼻や耳を切ったり身体を傷つける刑罰が多くなり、「井」に「リットウ」(刀)を加えて「刑」の字ができました。

 この「刑」の元の字形にふくまれている「井」には二つの意味があって、一つは紹介した首かせです。もう一つは「木のわくの形」の意味です。

 水をくむ「井戸(いど)」の「井」も木のわくの形です。日本で「どんぶり」の意味に使う「丼(せい)」も中国では井戸のことです。

 「刑」と似た字形である「型」「形」も「木のわくの形」のほうの「井」をふくむ文字です。

 まず「型」のほうから紹介しましょう。これは溶(と)かした金属を注ぎこんで鋳物(いもの)をつくるための「型」のことです。「井」「リットウ」(刀)「土」を合わせた文字。「井」は鋳型の外わくのこと。その外わくに土を塗(ぬ)り固めて作った鋳型が「型」という字で、「リットウ」は鋳型の「土」の形を整えるために用いられたものです。元は「いがた」の意味でしたが、すべての「かた」の意味になりました。

 「形」も元の字は「井」と「彡(さん)」を合わせた字でした。「井」は「型」の意味。「彡」は色や形が美しいことを示す記号的な文字です。つまり「形」とは「型」によって、作られた鋳物の「美しいかたち」のことです。

 「型」「形」は、まず鋳型の「型」を理解して、その「型」からできる鋳物の「かたちの美しさ」が「形」であるという順番で理解するのがいいのです。

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