体の芯まで熱くする 天然イノシシの「しし焼肉丼」 【GOHAN特製原稿】

2011年01月24日
共同通信共同通信
しし焼肉丼
しし焼肉丼

 今が旬、こってり脂の乗ったイノシシ肉が奥美濃で人気を呼んでいる!

 山間部の厳しい冬を乗り切るため、野菜を抱き合わせ、鍋でじっくり煮込んで食べるイノシシの肉。低カロリーで高タンパク、疲労回復の効果もあるとされる。岐阜県郡上市で、冬限定の天然イノシシ料理が丼で食べられるという情報を得た。

 早速、郡上市白鳥町の国道156号沿いにある「お食事処だるまや」を訪ね、天然イノシシの「しし焼肉丼」(1400円)と単品の「しし味噌(みそ)鍋」(1280円)を味わった。

 郡上産の天然イノシシでもてなす「しし焼肉丼」は、イノシシの肉と刻んだタマネギを炒めた後、自家製のたれを加えてさらに炒め、ご飯にかけたものだ。しょうゆにリンゴ、レモン、ニンニクなどをブレンドした、こだわりのたれで仕上げる極上品だ。

 「しし味噌鍋」は、イノシシの肉と野菜(ゴボウ、シュンギク、ダイコン、ニンジン、ネギ、ハクサイ)やエノキ、豆腐などを味噌だしで煮込む。だしは、野菜を3時間煮込んでつくるスープをコンブだしに入れ、しょうゆ、酒、みりんを加えた上、2種類の味噌を混ぜ合わせてあるという。

 焼けた肉の匂い、煮込まれた味噌の香りが、たまらない。

 丼は、厚みがある大きなイノシシの肉とタマネギが、ご飯を覆い隠すほど具だくさんだ。野生のイノシシの肉は硬いといわれるが…。

 身は軟らかく、濃厚で甘辛いしょうゆ味。肉にはたれが染み込み、脂身が口の中でとろけた。「これは、うまっ」。炒めたタマネギの甘さとご飯の相性も抜群だ。後味にフルーツの酸味が残る。


しし味噌鍋
しし味噌鍋

 鍋の方は、じっくり20分煮込んでから、少なめのうどんと一緒に運ばれてきた。そのまま頂くものだと思ったら、さらに固形燃料の火で二度煮込むアツアツのもてなしだ。

 肉と野菜のエキスがにじみ出ただし汁を飲んでみた。濃厚な味噌の辛さが口中に染みわたる。イノシシの肉は、こってりとした脂身がコリコリしてうまい。野菜もシャキシャキだ。冷えた体の芯までぽかぽか温まってくる。締めのうどんは、もちもちした麺に肉と野菜の味が染み込んで最高だ。

 「だるまや」は昭和初期、天然の郡上鮎を集荷する魚屋と仕出し屋の二本立てでオープンした。2代目の河合正則さん(61)は、16才から調理の道一筋。京都など関西や関東で10年以上修業して帰省した。1992年、天然鮎料理など郷土料理が味わえる食堂を開き、イノシシ料理(鍋、丼、すき焼き、石焼き、カツなど7種)も冬限定で始めた。毎年12月、地元の専属猟師から天然イノシシを一頭買いし、野菜や米も地元産。たれやだしなども自家製にこだわる。

 この道一筋45年の河合さんは「満足なものを作り、お客さんに満足していただくことが何より」という。イノシシの肉に染み込んだ甘味のエキスが思わず顔をほころばせる。

 

 

アマデウス@岐阜 (岐阜新聞)

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