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知恵が生んだ力強い一品 東京・丸の内「カフェ・ド・セントロ」【GOHAN特製原稿 五輪編】

2016.8.8 13:14 共同通信
「フェイジョアーダ」(手前)。ご飯との相性も抜群だ
「フェイジョアーダ」(手前)。ご飯との相性も抜群だ

 南米大陸では初開催となるリオデジャネイロ五輪がついに開幕した。競泳男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介を筆頭に日本勢も奮闘している。4回にわたって、世界各地の料理を紹介してきたこの企画の最後に取り上げるのはもちろん、ブラジル料理だ。

 そこで、現地の日常的な料理が味わえるという「カフェ ド セントロ」に向かった。JR有楽町駅から徒歩5分。数々の名演が催されてきた帝国劇場が入るビルの地下2階にある。

 メニューをじっくりと見る。何となく違和感がある。程なくして気付いた。日本では定番料理となっている「シュラスコ」がないのだ。店長の波江野高貢さんに聞くと「多くの庶民にとってシュラスコは外で食べる、ちょっと特別なもの。いうなれば、『ハレの日』の料理です」。

 波江野さんお勧めの2品を注文した。まず、運ばれてきたのが「パステル」。ブラジル風の揚げギョーザで、現地では主に屋台で売られている。

 現地風に、手づかみでいただく。薄手の生地なだけにカリッとした食感が心地よい。中には、牛ひき肉やゆで卵などで作った具が詰まっている。以前、この企画で紹介=忘れられぬこの味 東京・代々木「ミ チョリパン」=したアルゼンチン風の揚げギョーザ「エンパナーダ」もおいしかったが、こちらも負けていない。

 「これをかけると、さらにおいしくなりますよ」。波江野さんが、野菜を酢漬けにしたソース「モーリョ」を差し出してくれた。具にかける。ほどよい酸味でぐっと味が締まる。アルゼンチンのチョリパンには欠かせないソース「チミチョリ」と似ている。サッカーを筆頭にあらゆる面でライバル関係にある両国だが、やはり隣国。共通している部分も多いのだ。

 続いて、「フェイジョアーダ」が供される。ポルトガル語で「豆を使った料理」というその名の通り、黒インゲン豆と塩漬けした牛肉、豚の耳やしっぽ、ブラジルソーセージなどを、塩とニンニク、ハーブとともに煮込んだシンプルな料理だ。


「パステル」(手前左)。ボリュームたっぷりだ。「モーリョ」(同左)をかけると味が引き締まる。
「パステル」(手前左)。ボリュームたっぷりだ。「モーリョ」(同左)をかけると味が引き締まる。

 熱々を口に運ぶ。さまざまな食材のうまみが溶け出した力強く濃厚なスープに圧倒される。加えて、こりこりとした豚の耳、とろとろのしっぽ、ほくほくの豆…。かむたびに変化していく多彩な食感に口の中はすっかりにぎやかに。

 ご飯にかける。現地では一般的な食べ方だそうだ。これもいける。

 さらに、モーリョとキャッサバを乾燥させた粉を味付けした「ファロッファ」も加える。酸味と控えめな甘みで、味がぐっと深くなった。

 波江野さんによると、ブラジルの貧しい人たちが利用されずに捨てられてしまう部分の肉を豆と煮込んだのがフェイジョアーダ誕生のきっかけとする説が有力だという。

 人々の知恵が生み出した一品なのだ。そのことを知ると、力強さと濃厚さ、そして、おいしさがさらに増した気がした。

    ■    ■    ■

 ランチタイムは、代表的なブラジル料理をバイキング形式で楽しめる。また、ブラジルで生まれたポピュラー音楽「ショーロ」のライブも毎月1回開催されている。

 

 

榎並秀嗣@丸の内(47NEWS)
住所  :東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル地下2階
電話番号:03(3216)7911
営業時間:朝7時~15時、夜17時~22時30分(土曜は15時~21時)

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