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【3197】南郷 純米吟醸 麗(なんごう うらら)【福島県】

2017.12.24 20:52
福島県東白川郡矢祭町 矢澤酒造店
福島県東白川郡矢祭町 矢澤酒造店

 お酒が好きな同業他社の好漢M君と1年間、同じ釜の飯を食べたことがある。何度か一緒にH居酒屋で飲んだが、若いのに酒のテイスティング能力にタダナラヌものがあり、内心、舌を巻いたものだった。

 そのM君はいま、福島県で仕事をしている。わたくしが全国の現役蔵の酒を全部飲もうとしていることを知っているM君は、「この蔵の酒は飲んでいないでしょう」と、「南郷 純米吟醸 麗」の1合瓶を3本、H居酒屋に送ってくれた。それを飲むため、同僚のH、C、そしてわたくしがH居酒屋に集った。もちろん、最初に飲んだのは「南郷」だった。

 酒蛙「さっぱり、すっきりしたタッチ。酸が感じられる」
 店主「さっぱりしていますね」
 H 「私の好きな部類の酒だ」
 酒蛙「香りはほのか。穏やかな酒だ。きれいな酒でもある」
 店主「後味が辛い」
 酒蛙「余韻は軽い辛み。ざっくり言うと、やや淡麗辛口だけど、旨みが適度にある。甘みはすくなめ。よくまとまっている。食中酒にいいね」
 店主「いい酒だ」
 H 「M君の好みの酒とはタイプが違うね」
 酒蛙「うん、そうだ。M君は濃醇酸味酒が好きだからなあ。真逆だよ」

 飲み終わってから、M君にお礼の電話をした。「お燗を試してみましたか?」とM君。「冷酒のまま飲んでいたらすぐ無くなってしまったのでお燗は試さなかった」とわたくし。M君の好意に感謝するとともに、久しぶりにM君の元気な声を聞けてうれしかった。再び一緒に飲む機会があることを願う。

 蔵のホームページはこの酒を「低温でゆっくりと醸した純米のお酒で、さわやかな香りと春風駘蕩とした酒質、なめらかな喉越しのお酒です」と紹介している。

 瓶のラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページはこの酒の原料米を「広島県産 八反錦」と開示している。「八反錦」は広島県立農業試験場が1973年、母「八反35号」と父「アキツホ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1983年に命名、1984年に種苗法登録された酒造好適米。今や、「八反錦」といえば広島、広島といえば「八反錦」というほど、全国的に著名な酒米となっている。

 酒名「南郷」について、蔵のホームページは挨拶文の中で、以下のように述べている。「奥州最南端の郷 矢祭/恵まれた気候風土の山辺の地より/世界に誇れる日本酒を目指し/日々精進して参ります」。つまり、「奥州最南端の郷」だから「南郷」と命名したようだ。

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