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とどまるところを知らないロシアの愛国心 自ら「偉大な民族」

2017.12.22 12:38
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2016年3月18日、クリミアを訪れケルチ海峡の橋の建設現場を視察するロシアのプーチン大統領(右)と作業員ら(タス=共同)
2016年3月18日、クリミアを訪れケルチ海峡の橋の建設現場を視察するロシアのプーチン大統領(右)と作業員ら(タス=共同)

 

 独ソ戦を「大祖国戦争」、ナポレオン戦争を「祖国戦争」と呼ぶなど、ロシアの愛国心の強さは歴史的に有名だが、その高まりはソ連崩壊以降、最高潮に達した。ロシア紙ベドモスチが伝えた。 

 ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターが11月、全土の約1600人を対象に行った調査によると、「ロシア人は世界の歴史の中で特別な役割を持っている偉大な民族だ」と答えた人は、過去最高の64%に達した。「他の国の民族と同じ」と答えたのは32%にすぎなかった。ソ連崩壊後の混乱の中で行われた1992年の同様の調査で、「偉大な民族」と答えた人が13%しかいなかったことを考えると隔世の感がある。「ロシアは偉大な国だ」と答えた人も最高の72%を記録。ロシアに住んでいることを誇りに思うとした人も83%に達した。日本で同様の調査を行ったら、まさかここまで自国を誇りに思う人もいないだろう。

 愛国心の高まりは特に2014年のクリミア併合から顕著だ。長らくロシア帝国の一部だった南部クリミアは1954年、ソ連共産党のフルシチョフ第1書記によりロシアからウクライナへの帰属替えが行われたが、これを不当と考えていたロシア国民は、プーチン大統領による強引なロシア併合に喝采した。

 今年1月に行われた調査では、クリミア併合を誇りに思う人は43%で、これは「誇りに思う事象」の中で「ロシア文学」(36%)、「旧ソ連の工業力」(35%)をしのぎ、大祖国戦争の83%に次ぐ高さだ。

 レバダ・センターの研究員カリナ・ピピヤさんは、愛国心の高まりの要因としてクリミア併合に加え、米国などの「不当な反ロ政策への反発」を挙げる。大多数のロシア人から見ると、不当に奪われた領土を取り返すという当然の権利を行使しただけなのに、経済制裁などの迫害を加え、あげくは「米大統領選への介入」という言いがかりをつけ、「政治的動機」から来年2月の平昌冬季五輪からロシアを閉め出すという暴挙を行った欧米社会は断固として許せないということになる。個々人としては決して結束力が強いとは言えないものの、外敵の侵略や制裁などに対しては、愛国心を燃やし一致団結するのがロシアの国民性なのだ。

 「愛国心はロシア国民を統合する唯一のイデオロギー」とするプーチン大統領の人気も当然、高い。プーチン政権はクリミア併合から4年に当たる来年3月18日を大統領選の投票日に設定するなど、愛国心の高揚を自身の支持を底上げに利用しようとする戦略も打ち出している。 (47NEWS編集部 太田清)