押し寄せる世代交代の波 注目されるパッカーズQBロジャーズの処遇

2022年12月02日
共同通信共同通信
生沢 浩 いけざわ・ひろし
思い通りのプレーができず下を向くパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)
思い通りのプレーができず下を向くパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)

 

 NFLはプレーオフに向けて大事な12月に突入した。この1カ月の戦いでプレーオフに進出する14チームが決まる。

 第12週終了時点で、AFCとNFC東地区がすべて勝ち越している一方で、NFC南地区が軒並み勝率5割を切るという異例の展開となっている。

 そんな中、いよいよパッカーズの先発QBに世代交代の波が押し寄せそうだ。

 現在パッカーズは4勝8敗でプレーオフ進出は極めて難しい状況だ。プレーオフへの望みが絶たれた場合、パッカーズが来年以降の戦力を見据えて、アーロン・ロジャーズに代えて3年目のジョーダン・ラブに先発の座を与える可能性がある。

 実はその点についてロジャーズ自身が言及している。ロジャーズは「自分が最後までQBを務めたいが、若い選手を試したいというビジネス的な側面も理解できる。望ましいことではないが、そういう話が持ち上がったときは聞く耳を持っている」と「覚悟」を決めている様子だ。

 今季中に先発QBの交代が行われた場合、ロジャーズのパッカーズで過ごす日も終わりを迎えることになる。

 ラブのバックアップとしてチームに残ることは考えにくく、フリーエージェントとなって新天地を探すかユンフォームを脱ぐ決意をするだろう。

 そして、ロジャーズの「最後の日」は意外に早く来るかもしれない。

 既にこの1カ月ほどは骨折した右手親指の痛みをこらえて試合に出場しているが、第12週のイーグルス戦で脇腹を痛めて戦列を離れた。次戦のベアーズ戦への出場の準備はしているものの、深刻な負傷なら欠場も考えられる。

 パッカーズもロジャーズもけがの状況については詳細を明らかにしていないが、肋骨骨折の疑いがあるとの情報もある。

イーグルス守備陣の激しいプレシャーを受けるパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)
イーグルス守備陣の激しいプレシャーを受けるパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)

 

 ラブは2020年のドラフトで1巡指名を受けてパッカーズに入団した。この指名を不快に思ったロジャーズが当時のテッド・トンプソンGMとの確執を深め、一時は退団の噂も流れたほどだ。

 既にNFLで3シーズンも控えに甘んじているラブだが、パッカーズとしてもそろそろ先発QBに起用したい考えはある。プレーオフが絶望となればその転換期としてはいいきっかけとなる。

 ラブはこれまでに先発出場は昨季の1試合だけだ。イーグルス戦でロジャーズが負傷退場した後は9回の試投で6回のパス成功で63ヤードのTDパスを成功させる活躍を見せた。首脳陣がラブのパフォーマンスをもっと見たいという気持ちになっても不思議ではない。

 パッカーズのみならずNFLを代表するQBの一人として一時代を築いたロジャーズだが、その処遇が注目される。

 

 
 

生沢 浩( いけざわ・ひろし)プロフィル
1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。