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東京五輪・パラリンピック

【聖火リレー アラカルト】 共生願い聖火式典臨む アイヌにルーツ、代表男性

2021.6.22 13:00
アイヌ文化について話す聖火ランナーの山道ヒビキさん=5月、北海道白老町のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」
アイヌ文化について話す聖火ランナーの山道ヒビキさん=5月、北海道白老町のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」
 「皆一緒じゃなくていいという当たり前のことを伝えるつもりで臨んだ」。北海道白老町のアイヌ文化施設で行われた東京五輪聖火リレーの点火式典でランナーを代表し参加した山道ヒビキさん(32)はアイヌにルーツを持ち、同施設で文化継承活動を続けてきた。
 平取町に生まれ、幼い頃から家族や地域の人々にアイヌの伝統文化を教えられ育った。中でも舞踊は人前で披露するほどにまで上達。だが15歳の時、同年代の子に踊りを見られるのが急に恥ずかしく思えた。冷やかされることもあり、しばらくアイヌ文化と距離を置いた。
 数年後、あるイベントで、伝統の踊りを舞う同世代の姿を見て心を動かされた。「自分のやっていたことは間違いなかった」。一からアイヌについて学び直し、文化継承の道を目指した。
公道での聖火リレーが中止となり、代替行事の式典でランナーを代表し聖火皿に点火する山道ヒビキさん=13日午後、北海道白老町
公道での聖火リレーが中止となり、代替行事の式典でランナーを代表し聖火皿に点火する山道ヒビキさん=13日午後、北海道白老町
 現在は同施設の舞踊グループでリーダーを務める。聖火ランナーを打診された際は「なぜ僕が」と驚いたが、先人の文化を次の世代に伝えていく自らの活動と、人々が思いをつないでいく聖火リレーとが重なり、参加を決意した。
 「世界にはいろんなルーツを持つ人がいるということが伝わったんじゃないか」。式典後、山道さんは満足そうに話した。