メニュー 閉じる メニュー
東京五輪・パラリンピック

【聖火リレー アラカルト】 「大舞台」天国の妹に届け 秋田・潟上、14歳の兄

2021.6.16 13:00
聖火のトーチを掲げて走る上村大志さん=9日午前、秋田県潟上市
聖火のトーチを掲げて走る上村大志さん=9日午前、秋田県潟上市
 「大舞台で走る姿を天国の妹に見せたい」。秋田県潟上市の中学3年上村大志さん(14)は9日、脳腫瘍で亡くなった妹の存在を胸に聖火をつなぎ、車いすを押した手でトーチを掲げた。
 2歳下の結愛さんは生まれつき足が不自由で重い知的障害があったが、笑顔のかわいい、たった一人の妹だった。上村さんが車いすの前に立つと、結愛さんは目を見てにこっと笑う。結愛さんがいるだけで楽しく、家の中は明るくなった。
村結愛さんの遺影(中央上)などの前で写真に納まる兄大志さん(前列左)、祖父千代志さん(同右)、母愛海さん、父大輔さん=5月、秋田県潟上市
村結愛さんの遺影(中央上)などの前で写真に納まる兄大志さん(前列左)、祖父千代志さん(同右)、母愛海さん、父大輔さん=5月、秋田県潟上市
 2018年7月、10歳だった結愛さんが大好きな家族に見守られ旅立つと、光が消えたように。一周忌を過ぎたころ、母愛海さん(35)から聖火ランナーへの応募を勧められた。祖父千代志さん(74)が、1964年の東京五輪で聖火ランナーを務めたことも理由の一つだった。
 「後輩」となった孫に、千代志さんは「うれしくて皆に言ってしまう」と顔をほころばせた。時がたち、家族も少しずつ明るさを取り戻してきた。「家族が今も元気に過ごしていると、妹に伝えられたら」。上村さんは前を向き始めている。