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東京五輪・パラリンピック

【聖火リレー アーカイブス(72)】 「幻の代表」山形で聖火 車いすユーチューバーも

2021.6.11 12:00
テレビドラマ「おしん」のロケ地「山居倉庫」を走る聖火ランナー=7日午後、山形県酒田市
テレビドラマ「おしん」のロケ地「山居倉庫」を走る聖火ランナー=7日午後、山形県酒田市
 東京五輪の聖火リレーは7日、山形県で2日目を迎えた。尾花沢市では、ボイコットのため出場できなかった1980年のモスクワ五輪で、ボクシング代表だった菅藤弘さん(64)が、41年前からの思いを胸に駆け抜けた。「車いすユーチューバー」として活躍する渋谷真子さん(29)は地元の鶴岡市を走った。聖火は8日、秋田に入る。
 日本のモスクワ五輪出場辞退を聞いた当時は「つらい練習から解放され、正直ほっとした」と菅藤さん。ただ年を重ねるにつれ「五輪に出たかった」との思いが募った。
 モスクワ五輪で使う予定だったウオーミングアップ用シューズを履き、沿道からの大きな拍手の中、力強く走りきった。「出られなかった選手たちの思いを背負って走った。試合以上に緊張したが、あっという間だった」とはにかんだ。
 渋谷さんは2018年7月の事故で、脊髄を損傷し下半身まひになった。当事者目線の情報がほとんどなく、動画配信を開始。自家用車への乗り降りや旅行の様子から、性や排便まで多様な話題を明るく取り上げ、健常者にも人気だ。
 トーチを取り付けた車いすを両手でこぎ、時折沿道の観客に手を振りながらゆっくり走行した。「鶴岡に車いすの人がいて生活していることを知ってもらうきっかけになったと思う」と達成感をにじませた。
 聖火はこの日、見頃を迎えた村山市の「東沢バラ公園」や、NHK連続テレビ小説「おしん」のロケ地となった酒田市の「山居倉庫」を巡った。