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【聖火リレー アーカイブス(38)】 聖火、沖縄戦の激戦地に 64年第1走者「最高の日」

2021.5.5 12:00 共同通信
沖縄県糸満市の平和祈念公園で行われた聖火リレー。手前は「平和の礎」=2日午前
沖縄県糸満市の平和祈念公園で行われた聖火リレー。手前は「平和の礎」=2日午前
 東京五輪の聖火リレーは2日、沖縄県での2日目を迎えた。米軍統治下の沖縄から始まった1964年東京五輪聖火リレーで第1走者を務めた宮城勇さん(78)が再び聖火を手に、沖縄戦最後の激戦地、糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園を走った。
 公園内の石碑「平和の礎(いしじ)」に戦争で亡くなった父親らの名が刻まれている宮城さんは「父や親類が眠る場所で聖なるトーチを掲げて走れた。人生最高の日となった」と話した。
 64年の聖火リレーでは沿道の人々が本土復帰への切実な思いを胸に日の丸を振った。妻邦子さん(78)は今回、勇さんの母親が大事にしていた日の丸を振って応援し「沖縄から世界へ平和を発信でき感無量」と語った。
 前回ランナーを務め、今回は孫が走った福地良夫さん(73)は「夢のよう。平和を希求するこの場所でリレーを実施できたことに意義がある」と喜んだ。
 午後には離島の座間味村の海上で「海人(うみんちゅ=漁師)」伝統の手こぎ舟「サバニ」2隻がそれぞれ聖火ランナーを乗せ、海上で聖火をつないだ。1隻を担当した村立座間味中の3年生7人は息の合った動きで舟を操り、沖合約200メートルで2隻を近づけて「トーチキス」を成功させた。
 新型コロナウイルスの影響で沖縄本島では公道のリレーを中止。2日に予定していた宮古島は全面中止となった。平和祈念公園では密集を避けるため立ち入りを制限し、訪れた近所の男性(80)は「一生に一度の機会と思って見に来たが、これでは見えない。残念だ」と悲しそうだった。
 聖火リレーは2日間の移動日を挟み、5日から熊本県で行われる。