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【聖火リレー アラカルト】 弱視空手家「生きる支え」 障害者スポーツ伝えたい 

2021.5.4 13:00 共同通信
宮崎市の空手道場で練習する後藤海翔さん(手前)=8日
宮崎市の空手道場で練習する後藤海翔さん(手前)=4月8日
 「見えにくい世界でさまざまな人との関わりをつくれたのは空手があったから」。宮崎県2日目の聖火リレーを走った宮崎市の専門学校生後藤海翔さん(18)は、生まれつき右目の視力がほとんどないが、健常者と同じ土俵で研さんを積んできた。家族や恩師への感謝と、空手を多くの人に知ってもらいたいとの思いを込めて聖火を運んだ。
 右目の眼球が小さい「小眼球」で、左目の視力も低い。生まれた頃は心臓や腎臓も悪かった。手術を繰り返し、小学校では体育に参加できない時期も。同級生の父に誘われ8歳で空手道場に通い始めた。「熱中することで、応援する家族や先生に囲まれ、一緒に練習に励む仲間ができた」
 技の切れや正確さ、気迫などを競う「形」は演武を体に根気よく覚え込ませていくしかない。「自分を他人と違うと感じたことはない」と地道に稽古を続け、県立明星視覚支援学校から県高校総体にも出場した。指導する瀬戸山善稔さん(59)は「本当にこつこつ努力してきた」とたたえる。
宮崎市を走る聖火ランナーの後藤海翔さん=26日午前(代表撮影)
宮崎市を走る聖火ランナーの後藤海翔さん=4月26日午前(代表撮影)

 「空手が生きる支えになった自分のように、多くの障害がある人に空手をしてもらいたい」と後藤さん。専門学校で公務員を目指し、卒業後は障害者スポーツ支援にも携わりたいという。

 リレー中は、空手の練習時に見せる緊張感のある表情から一転、笑顔だった。終了後「(見ている人に)自分の思いがたぶん伝わったのでは」とはにかんだ。