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【解説動画で振り返る】 車いすラグビー 笑顔と涙の締めくくり 2大会連続の「銅」

2021.9.7 15:32 共同通信

 

 東京パラリンピック車いすラグビーの3位決定戦は、日本が2016年リオデジャネイロ大会優勝のオーストラリアに60―52で勝ち、2大会連続の銅メダルを獲得した。

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 静かな笑顔が日本チームに広がった。仲間同士で抱き合い、たたえ合った。涙を浮かべる選手もいる。準決勝敗戦のショックから立ち直り、日本はメダルを確保した。

 2018年世界選手権覇者として東京大会に臨んでいた。目標は頂点、金メダル。だが、夢が絶たれ、戦う意味を見失いかけていたという。その夜、選手村で悔しさを吐き出した。そして「銅メダルで感謝を伝えよう」とチームは再び結束し、3位決定戦を迎えた。

 車いすラグビーは「マーダーボール(殺人球技)」という異名を持つ。車いす同士がぶつかり合う激しい競技だ。3位決定戦も滑り出しから両チームの意地が激突した。

 一進一退の展開から抜け出したのは日本。4―5と先行されていたものの、オーストラリアのパスをカットするなどして3連続得点を挙げ、優位に立った。

 第1ピリオドで3点をリード。第2ピリオドは主将で司令塔の池が2本のスチールを奪って5点差に広げた。

第2ピリオド、オーストラリアのライリー・バット(左)をマークする池崎=国立代々木競技場
第2ピリオド、オーストラリアのライリー・バット(左)をマークする池崎=国立代々木競技場
 第3ピリオドでは日本のチーム力がオーストラリアを圧倒した。池やポイントゲッターの池崎といった障害の軽い選手と、主に守備を担う障害の重い選手が有機的に動き、点差を広げていった。
 このピリオドの終盤には、唯一の女子選手で初出場の倉橋も見せ場を作った。頸髄(けいずい)損傷の重い障害があるが、世界ナンバーワンプレーヤーで「危険な重戦車」と呼ばれるバットの動きを先読みし、タックル一撃でひっくり返した。
 大量リードで迎えた第4ピリオドも日本の集中力は途切れない。池が「情熱のある素晴らしい12人」と評するメンバーは、最後まで勝利だけを目指し、コートを駆け抜けた。「全員が常にハードワークできた」。日本のスタイルを貫いて、強敵を退けた。
 ただ、本当に欲しかったのは金メダル。銅メダルを手にしたからこそ、改めて悔しさがこみ上げる。チーム最多の23点を挙げた池崎は言った。「パラリンピックでやられた借りは、パラリンピックで返す」―(共同通信・根本美代子)