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「NEXT」「次」に向かって   五輪連載企画「熱戦の書」

2021.8.10 17:00 共同通信
 
 

 オリンピックでは、一人の選手、一つのチーム以外は試合に負ける。その勝敗について他人が語ることは難しい。
 「金メダルとかメダルとか、これっぽっちのものに感じて。それよりたくさん大切なものをもらった。水泳続けて本当に良かった」。水泳の萩野公介選手の言葉だ。
 ロンドン、リオのメダリストは悩みに悩み抜いて、この深淵な境地に達したのかも知れない。4年に1度の最高の舞台でたった一人の勝者になることよりも優先することがあると彼は言った。
 選手たちは口をそろえて、このオリンピックを開催してくれたことに謝意を表した。開催を反対する世論に心細い日々を過ごしたことが伝わる。
 いま私たちに求められるのは、勝利をたたえると同時に、素晴らしい時間をくれたアスリートに感謝する態度だと思う。
 選手の皆さんはもうパリに向かっているのだろう、私たちも「次」に向かって歩こう。
 爽やかな風と共に。

 
 
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 おかにし・ゆうな 1985年東京都生まれ。6歳から書を始め、高校在学中に師範免許を取得。自然界の曲線美を書によって追求する独自の創作活動を行う。作品集に「線の美」がある