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「凱」あにといもうと  五輪連載企画「熱戦の書」

2021.7.31 17:00 共同通信
 
 

 

 端正な顔立ち。明るい笑顔。そして強い。まさに絵に描いたようなスポーツの、武道の、あにといもうと。
 常に金メダルを期待される日本の柔道という厳しい競技で、初めてのことをやってのけた。
 その瞬間、天真爛漫(らんまん)ないもうとは喜びを身体中で表した。「開催してくれてありがとうございます」。この状況の中で柔道ができることに感謝を示した。「お兄ちゃんが今からだから気が抜けない」。すぐに気を引き締めた。
 しっかり者のあには一礼をして畳を降りた。「胸を張って畳を降りたいと思った」。王者の矜持(きょうじ)を見せた。「歴史に名を刻めた」。兄妹での快挙を素直に喜んだ。
 ライバルの存在、敗北からの再起。だけど最高の舞台で二人して高らかに凱歌(がいか)を上げた。
 この二人の汗と涙を日本中が見てきた。これからまた何年も、この二人の物語を私たちは見続けることになるだろう。

 

 
 

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 書家の岡西佑奈さんが東京五輪の期間中、さまざまな競技を観戦しながら浮かんだ言葉を書にし、その思いをつづります。

 おかにし・ゆうな 1985年東京都生まれ。6歳から書を始め、高校在学中に師範免許を取得。自然界の曲線美を書によって追求する独自の創作活動を行う。作品集に「線の美」がある。