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【14個の金メダル】⑬ 高木菜那  2018年平昌大会 スピードスケート女子マススタート

2022.1.28 15:05 共同通信
表彰式で笑顔の高木
表彰式で笑顔の高木

 団体追い抜きで金メダルを獲得して波に乗った高木菜那が、新種目マススタートで初代女王の座に就いた。二つのレーンを1人ずつ滑る通常の個人種目と違い、マススタートは多くの選手がひしめき合って滑走する。団体追い抜きで培った前の選手との間隔を空けない技術が生きた。

 もう一人の日本代表、佐藤彩乃は1回戦で転倒して敗退していた。同じ国の選手同士の連携も勝負のカギとなるだけに、相棒を失ったのは痛かった。だが、高木はそれを逆手に取った。「佐藤の分まで金メダルを取りにいく気持ちだった」。

 元々、勝ち気な性格で、先に世界の舞台に羽ばたいた妹・美帆に対する嫉妬心を抑えきれなかった時期もあったという。責任感を力に変えて決勝レースに臨んだ。前を滑る168センチの優勝候補、イレーネ・スハウデン(オランダ)を風よけ代わりにして、155センチの高木は背後にぴたりとついた。終盤に脚力を残しておくための作戦だった。

ガッツポーズの高木
ガッツポーズの高木

 

 16周で争うレースの最後のカーブ。ライバルが外に膨らむのを見逃さずに、抜群の勝負勘で内を突いて前に出た。ためていた力を爆発させ、弾むように直線を駆け抜けた。集団での滑走に定評のある「菜那らしさ」を存分に発揮したレースだった。

 「美帆だけじゃなく、菜那もいるんだというところを見せられた」と言った。観客政で声援を送っていた妹は両手を挙げて快挙を祝い、大役を終えた姉は渡された日の丸の旗を高く掲げ、観客席に向かって何度も手を振った。