甘酸っぱいフィリピン 意外、和食とぴったり
おすすめ度:★★★★★
バナナやマンゴー、フィリピン産の果物は身近にあふれていても、料理になるとピンとこない人が多いのでは。在日フィリピン人は約20万人。出身地別では4番目に多い割に料理店は少ない。東京・下北沢の「かまいキッチン」では現地風の家庭料理が味わえる。
7千の島からなるフィリピンは、中国や植民地支配が長かったスペインの料理法が混じり合う。辛さ少なめで甘酸っぱさが特徴。「体がお酢だらけだから風呂に入ろう、と子どもを注意する言い回しがあるくらい酢を使う」とシェフのアレックス・シルバさんは笑う。
「アドボ」は国民食。酢、しょうゆなどで煮込んだ手羽元と大根は、コクがあるのに後味さっぱり。隠し味の魚醬やココナツミルクがほのかに香り、粒コショウのアクセントで飽きさせない。店の定食に添えられたみそ汁やヒジキ煮となじみ、ごはんも進む。
揚げ春巻「ルンピア・シャンハイ」の具はひき肉、タマネギ。味付けも粒コショウとシンプルだが、奥行きのある味わい。中華の春巻きに比べ、細くあっさりしている。

和食とぴったりなのは意外な発見。「近くて遠い」国を身近に感じられる組み合わせの妙だ。
調理用バナナを、同じ皮で巻いて揚げた「トロン」はおやつ。芋をしっとりとさせた食感で、酸味も漂う。苦味の効いたバタンガスコーヒーと相性がいい。かつては世界有数のコーヒー豆生産国。栽培量が減り希少になったが、個性は際立っている。

店名の「かまい」はタガログ語で「手」の意味。日本語の「かまう」にかけ、小上がりの座敷や絵本を用意。和食もあり、子連れでくつろげる店だ。アドボ定食950円、バタンガスコーヒー350円。火曜定休。電話03(6318)5323。東京都世田谷区北沢2の33の6 第2ミチルビル2階







