2009年01月30日
普通の暮らしに潜む魅力 高円寺、荻窪
おすすめ度:★★★★★
高円寺純情商店街
東京駅、新宿駅と山梨、長野をつなぐJR中央線は、東京都を東西に貫く大動脈だ。頻繁に行き交う各停、快速電車に長距離特急も加わり、終日働き続けている印象がある。往年のヒット曲「あずさ2号」の物語もここから生まれた。
新宿で下りに乗ると中野、高円寺、阿佐ケ谷、荻窪、吉祥寺と繁華な駅が続く。朝は一斉に都心へ向かい、夜はそぞろに帰って来る人たちの生活圏なのが共通点で、取り立てて観光名所があるわけではない。だが「普通の人々」の暮らしに触れる気なら、あちらこちらに魅力は潜んでいる。
「高円寺純情商店街」は、地元出身のねじめ正一さんの直木賞受賞作から愛称をいただいた。周辺には肉や野菜の専門店やスーパーが集中、品物が威勢良く路地にはみ出す。体を横にして擦れ違う混雑も、かえって買い物気分をそそる。コロッケ一個七十円は安いのか高いのか…。

高円寺の地名は、徳川家光ゆかりの寺にちなむ。そこだけ鎌倉のようなたたずまいで、近くの氷川神社内には全国唯一の「気象神社」という小さな社が。旅行や結婚式に晴れ希望、といった願い事のほかに気象予報士合格祈願も多い。
高架の線路から家並みを眺めながら荻窪駅へ。高円寺と同じなのは、駅前が整然としていないところ。駅徒歩三十秒で、おじさんのオアシスであろうフォーク酒場が見つかった。ラーメン激戦区でもある。道が曲がり曲がって方位が分からなくなったりするのだが、ここならしばらく迷子になってみようか。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月29日
主婦がうれしい野菜自販機
おすすめ度:★★★★★
とれたて野菜が並ぶ自販機
東京・二子玉川の閑静な“お屋敷町”の一角に立つ風変わりなコインロッカー。近づいてみると、取れたて野菜が買える自動販売機だった。
62個ある収納部分は、中が見えるように扉が透明。硬貨を投入して扉を開ければ、品物が手に入る。ホウレンソウ、赤カブ、白菜、菜の花…と季節の味覚は目にも鮮やか。無人の直売所は都内でも珍しくないが、自販機はほとんど例がないという。
農業を営む男性が「直売所だとお金を払わずに持っていく人が目についたので」と、約10年前に自宅の敷地内で始めた。近所に所有する畑で育て、1日3回並べている。農薬は極力控え、100―300円。夏場はこまめに入れ替えて対応する。
「スーパーよりも新鮮なのがいい」。普段着姿の主婦は大根を手に、満足そうだ。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (1)
2009年01月28日
東京グルメ本が熱いバトル
おすすめ度:★★★★★
グルメ本が山積みの都内の書店
二〇〇九年版で二年目を迎えた「ミシュランガイド東京」。フランスから黒船のようにやって来た世界的権威のグルメガイドには、好評の一方で「外国人に日本の食文化が分かるのか」という疑問符も。そんな心理を反映してか、新旧の東京グルメ本が熱いバトルを繰り広げている。
「東京編はまるでカタログ。本国のガイドとは別物ととらえるべきだ」。ミシュランの編集に物足りなさを感じたという料理評論家の山本益博さんは、昨年十一月「マスヒロの東京番付」(実業之日本社)を刊行。山本さんを中心に集った審議委員が約百七十軒を選定。横綱から平幕までの五段階「番付」で評価した。
また日本フードアナリスト協会は、約四千人のアナリストが調査に立ち上がった。今年秋に、独自の格付けガイドを創刊する予定だ。「日本人ならではの価値観で評価したい」と闘志を燃やす協会は、アナリストの資格を持つタレント、真鍋かをりさんをイメージキャラクターに起用し、盛り上げを図る。
迎え撃つ先輩格のガイド本も、特集を組んだり、派手に宣伝したりとミシュランを意識。料理やサービスなどの五項目を総合点で評価する「東京最高のレストラン2009」(ぴあ)は、採点者の座談会で「ミシュラン上陸」を特集した。
また「東京いい店うまい店2009―2010年版」(文芸春秋)は、本の帯で「フランス人には分からない」と、きわどく挑発する。それでも「前の版よりも、売り上げが30%増えた」と編集者は語り、ミシュランがグルメ本全体へのいい刺激になったことを認めている。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月27日
水質浄化に「福は内」?
おすすめ度:★★★★★
EM団子の投げ込み
神田川から分かれて隅田川に流れ込む日本橋川(全長4・8キロ)で、EM(有用微生物群)団子を使った水質浄化が活発に行われている。
五街道の起点で、江戸の象徴的存在でもある日本橋。その欄干越しに、手のひらサイズの茶色の団子が、濁った川へ次々に投じられる。道行く人は不審の表情を浮かべるが“ピッチャー”役の手は止まらない。
EMにはヘドロなど有機物を発酵分解する働きがあり、活用が全国に広がっている。日本橋川で始まったのは2005年から。
名橋「日本橋」保存会を中心とする地元団体が、民間非営利団体(NPO)地球環境・共生ネットワークの協力で、これまでに10万個以上の団子を不定期に投入。生態系の回復が確認できているという。そう聞くと、節分豆まきの「福は内」に似ていなくもない。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月26日
隅田川を向く、夜の芭蕉
おすすめ度:★★★★★
日暮れ、隅田川を向く芭蕉像
東京・下町の隅田川沿いにある松尾芭蕉のブロンズ座像が、日暮れになると動きだす。場所は芭蕉が「奥の細道」に出立したゆかりの地、江東区の芭蕉庵史跡展望庭園。「座り直してるんですか」「夜、立って動いてるんですか」といった問い合わせも舞い込む、ユニークな仕掛けだ。
像は高さ約120センチ。閉園後の午後5時ごろ、座布団に正座姿の芭蕉がライトアップされ、川方向に電動で約90度回転する。タイマー設定で、特に前触れもない。方向転換は30秒ほどの早業だが、狙いをつけて近くの遊歩道で見守る人も。
1995年の建立以来続く謎の行動。実は、夜になったら川側から見てもらいたい、というサービス精神のなせる技なのだ。遊覧船の往来が少なくなる午後10時ごろ、像は元の位置に戻り朝を迎える。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月23日
目が合い笑う、両さんの街 京成電鉄で金町、亀有へ
おすすめ度:★★★★★
制服姿の両さん像
東京都葛飾区内のわずか三駅を結ぶ京成電鉄金町線。始発着駅の京成金町は、埼玉と千葉に隣接する所にある。人も風景ものんびりしていて、ここが東京なのか、とも思う。
親しみやすさが物語の舞台に適するのだろう、寅さんが旅立つ柴又駅は手前の駅。少年ジャンプ連載の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称「こち亀」の中で両津勘吉巡査長が勤務する一帯も徒歩圏内にある。
京成を降りて西へ。両さんの後輩、中川圭一巡査の名前の由来でもある「中川」を渡ると、もうそこは両さんの街。作品に登場する香取神社を横目に、大通りを北上。横道から通勤客が出てきて、その方角に駅があると知れる。
JR常磐線亀有駅には、北口に制服姿、南口には法被姿の両さん像がある。

さすがに一九七六年から続く人気コミックだ。お土産の「両さんどら焼き」の紙袋を手にした人たちが、カメラ付き携帯電話を向けてパチリ。男性が多いのは納得できる。ベーゴマ、プラモ、缶けりと両さんの趣味が男の子の心をくすぐるものばかりだから。ファン同士、目が合って思わず照れ笑い。
制服の両さん像の背後に見える北口交番は、漫画の派出所のモデルとなった場所だから、見た目がそっくり。だが「亀有公園」はここになく、駅前よりさらに数分先へ行ったところにある。
南口の商店街「ゆうろーど」に最近、三つ目の両さん像が完成した。少年時代の姿。そこでさっき駅前で会った人とまた会う羽目に。やはり笑うしかない。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月21日
思い伝える「クマ」が人気
おすすめ度:★★★★★
子どもの人気を集めた着ぐるみ
「愛しているよ」「グッドラック」など大切な人へのメッセージも託せる、米国生まれのクマのキャラクター「ケアベア」のグッズが、都内の雑貨店などで好調な売れ行きを見せている。
ケアベアは1種類ごとに色や表情、性格が異なり、現在8種類を販売中だ。それぞれがおなかのシンボルマークで「みんなを励ます」「安眠を手助けする」などの“使命”を表現している。
一番人気は、ぬいぐるみの「ラブアロットベア」(Sサイズ、1260円)。おなかには重なったハートマーク。世界中を愛でいっぱいにする役目を担うという。
商品化に携わる「マインドワークス・エンタテイメント」(東京)の担当者は「かわいさとメッセージ性が20代女性に受けている。女性タレントがコレクションしている影響もあるようです」と話す。
同社は秋冬の新商品として11月下旬に湯たんぽや、ブーツキーパーなどを発売。期間限定ショップを開いた吉祥寺パルコでは、携帯電話スタンドなどが親子連れにも大好評で、数日間で完売したという。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月20日
4代目でも変わらぬ役目 東京駅の名所「銀の鈴」
おすすめ度:★★★★★
ライトアップされた「銀の鈴」
東京駅の待ち合わせの名所「銀の鈴」。初登場から40年がすぎ、現在は4代目が登場して1周年を迎えた。竹の骨組みを銀紙で飾った初代から、アルミ合金製にグレードアップした今でも、利用者の出会いと別れを見守り続ける。
地下通路にある駅ナカ商業施設の一角で、4代目は透明なケースに収まっていた。天井からつるされ直径は80センチ。イルカや波などの意匠が凝らされ、しっかりと目立つ。
昨年10月には15分刻みで赤、青、黄など5色にライトアップするイベントも開催。期間限定だったが、好評の場合は今後も続ける予定という。
大きなバッグを抱えた若者、興味深げに眺める年配夫婦、記念撮影をする女性グループ。待ち人が来て去っていく姿はみな笑顔。携帯電話がこれだけ普及しても、その存在感は揺るがない。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月19日
元祖?せんとくんを発見
おすすめ度:★★★★★
「童々広場」の「走る童子」
「うわ、似てる!」。広場に着くや、声に出てしまった。奈良県の「平城遷都1300年祭」の公式キャラクター「せんとくん」と見間違う童子たちが駆け回っている。
東京都府中市の「童々広場」にある「走る童子」と「桜の童子」の計7体のブロンズ像。「せんとくん」の作者で彫刻家、籔内佐斗司さんの作品だ。ほぼ4頭身。シカの角こそないが、せんとくんの兄貴分か親せきにも思えてくる。
広場は「彫刻のあるまちづくり」事業の一環で、1996年に完成した。当初は「異様だ」との声も寄せられたが、今では「面白い」とちょっとした名所になっているという。近くの小学校に通う児童が、登下校時に頭をなでたり、抱きついたりする光景も。
管理する同市担当者は「奈良で話題になって再確認されたのか、問い合わせが格段に増えています」
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月16日
篤ちゃんは人を信じます 下町のストラップ無人販売
おすすめ度:★★★★★
無人販売されているストラップ
ドラマで大人気の「篤姫」の墓所がある東京・上野の寛永寺周辺は、太平洋戦争の空襲を免れた家並みも残り、街歩きに最適の下町。谷中霊園に向け歩いていると「さくらぎ茶屋」という雰囲気のある一角に出くわした。
車1台分ほどのスペース。隣の印刷会社ニホンプリントが駐車場跡を屋根付き無料休憩所として、地域のために開放している。そこで目を引くのが「篤ちゃんストラップ」(300円)だ。同社がアニメ風のキャラクターを考案し、ここだけに置く商品。
ユニークなのは販売方法で、山盛りになったかごから選んで脇の料金ボックスに対価を入れる。常時無人だが、荒らされたことはないそうだ。硬貨を投じるとコロンと鳴って、おさい銭を投じたよう。うれしい気分がお釣りになって返ってきた。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月15日
ロックの“殿堂”が閉店へ
おすすめ度:★★★★★
貴重なアイテムがひしめく
ロック関連グッズ約3万点が並ぶ東京・原宿の専門店「ロックンロールミュージアム」。来日ミュージシャンもお忍びで立ち寄り、20年以上の歴史を持つ“ロックの殿堂”だったが、1月18日で閉店がする。今後は、インターネットでの販売に絞るという。
「地価高騰で決断しましたが、スピリットは残ります。ウェブ上で継承していきたい」と、宣伝企画担当の金子ヒロムさん(44)は話す。
ミュージアムは、エルビス・プレスリーの専門店「ラブミーテンダー」、ビートルズの品を扱う「ゲットバック」、ローリング・ストーンズ公認のジャンパーまで開発した「ギミーシェルター」の3店舗で構成。
プレスリーが公演で首に巻いた青いスカーフ、ビートルズが爆発的な人気を得る直前のサイン…。レアなアイテムが店内にひしめく。英国の人気バンド、オアシスも訪れたことがあるそうだ。
1月のプレスリー誕生日に合わせ米国からグッズを取り寄せるなど、閉店までイベントが用意されている。ショッピングサイト「JAM SHOPPING」はhttp://jamshopping.jp/
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月14日
需要高まる「リビング葬」
おすすめ度:★★★★★
リビング葬の体験会
形式やしきたりにとらわれず、自宅のような空間でゆっくりと過ごすスタイルの葬儀が、首都圏で増加傾向にある。
メモリアルアートの大野屋(東京)は2005年7月から、新しい家族葬として「リビング葬」を提案。昨年の年間受注件数は前年比約8割増だ。女性が生前予約するケースが多いという。
高まるニーズに同社は、東京と横浜にある三つの専用式場のほか、空きギャラリー施設なども今後活用して、都内を中心に拠点を増やす方針。
「リビング葬」は、高級邸宅風の専用式場を通夜と告別式の2日間利用する。棺を囲み、親族らで思い出話に浸ったり、楽器演奏をしたりと過ごし方は多様。宗派は問わない。室内に写真や故人をしのぶ品を個展のように並べたり、懐石コース、ビュッフェ料理から食事を選んだりと各種アレンジも可能だ。
「邸宅風の結婚式場が人気を集めるように、葬式でも選択肢の一つとして認知されつつある」と担当者。費用は「フューネラルリビング小平」の場合で30人、269万円から。
詳細ページへ
コメント (1)
| トラックバック (1)
2009年01月13日
現実離れの夜景ジャングル 大師参りと京浜工業地帯
おすすめ度:★★★★★
昭和電工東京ガスの大型プラント
朝夕は沿線にある工場従業員を、日中は川崎大師への参拝者を運ぶ京急大師線。全国屈指の初詣で客数で、正月は大変込み合う。川崎競馬場への足でもあり、幾つもの表情を見せる。
トントコ、トントコ…。川崎大師駅前から続く参道の仲見世通りでは、リズミカルにあめを切る音が響く。まんじゅう、手焼きせんべい、そばと門前グルメは尽きない。赤や金色のだるまが山積みの店先で、年配の女性が「帰りに買っててな」とにっこり顔を出した。
厄よけで知られる川崎大師は平安時代の建立。江戸期に将軍が訪れたのをきっかけに、庶民にも参拝が広がった。護摩木には「病気平癒」のほか「災害絶滅」「従業員安全」と工場街ならではの祈願も。
京浜工業地帯の特徴は運河だ。船上から工場群を観賞するツアー「工場夜景ジャングルクルーズ」に参加した。今年夏に始まった企画で、土日のみ運航の完全予約制。夕方に横浜を出発し、約九十分かけて京浜運河、塩浜運河などを巡る。

製糖工場では、巨大な腕のような荷揚げ用クレーンがお出迎え。オレンジ色の照明で円柱形のオイルタンクが浮かび上がる。火力発電所の煙突から立ち上る炎は、聖火のようだ。上空では羽田空港を離着陸するジェット機がたびたび旋回する。現実離れした宇宙的な世界。「『ブレードランナー』みたい」という、つぶやきも漏れる。
二十四時間操業の石油化学プラントに接近。プシューと上がる噴煙を乗客ほぼ全員が見上げた。日本を支える原動力の鼓動を聞くうちに、夜は更けていった。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (1)
2009年01月08日
「氷の世界」で酔いたい
おすすめ度:★★★★★
「アブソルート・アイスバー東京」の店内
氷に囲まれた空間で、防寒用のフード付きケープと手袋に身を包んで過ごす東京・西麻布の「アブソルート・アイスバー東京」。北欧生まれのバーが日本の伝統文化「生け花」をテーマに内装をリニューアル、和洋折衷の演出が来店者を楽しませている。
壁やカウンター、テーブル、いす、グラス…とすべて氷。四角に削ったグラスに注がれたカクテルは「インザロック」で味わう。スウェーデン北部のトルネ川から切り出した天然氷計25トンで、透明感はクリスタルガラスのよう。50人が一度に入店でき、中はマイナス5度に保たれている。
出入り口近くには大人の背丈よりも大きいオブジェが幾つも並ぶ。分厚い氷板を波打ったように加工したデザインで、草花の造形美を表現。表面に竹や木の葉を彫刻して壁の中に埋め込み、氷の中で浮かんで見えるような趣向も凝らした。
ウオツカベースのカクテルかソフトドリンク1杯と防寒着のレンタル料で3500円。年末年始を除き無休。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)
2009年01月06日
点と点が描く彩り 頑張れ!受験生
おすすめ度:★★★★★
東大の赤門
上野から湯島、本郷をめぐると、東京は点描画のようにできていると感じる。一つ一つが個性豊かな地域だが、境目なくつながって彩りのある表情を描き出す。点をつないで、半日がかりで通り抜けた。
出発は上野駅。西郷さんの銅像を見上げ、動物園へ。ジャイアントパンダの展示施設には結構、人通りがあった。いくら探してもいないのだが、つい目を凝らす。隣のレッサーパンダが「かわいい」と歓声を受けても、主役不在は否めない。
東園から西園への移動はモノレールを利用。由緒のある乗り物なのだ。運行開始は一九五七年。日本初、世界でも二番目のモノレールだった。懸垂型で、不忍池や園内を見下ろしながら滑空する。約三百三十メートル、一分半の旅。あくまで都営の交通機関であり、遊戯施設ではないそうだが、固いことは誰も言わない。

園の池之端門から西に進むと、東大本郷キャンパスが広がる。静寂をたたえ思索や散策にぴったりの三四郎池、学生運動の歴史的象徴である安田講堂、大学の顔と呼びたい赤門を見て歩く。意外なほど開放的な雰囲気で、制服姿の高校生が地図と建物を照らし合わせていたりする。頑張れ!受験生。

湯島天神を経て駅路についた本郷で目に入ったのが、飲食店が連なる「落第横丁」という通り。向こうから手招きしてくれたと思ったのは錯覚だろうか。
詳細ページへ
コメント (0)
| トラックバック (0)