楽しさつながる安・近・短 ロマンスカーが誘う箱根
おすすめ度:★★★★★
復元された箱根関所
ガソリン高騰の影響で見直されている「安・近・短」の旅。身近な交通機関で移動、見どころをさっと回り、費用はリーズナブル。箱根(神奈川県)は、その条件に見合う代表格だ。
特急の小田急ロマンスカーは、新宿―箱根湯本を約一時間半で結ぶ大動脈。指定席でゆったり、素早く。朝夕ラッシュ時、混雑した電車をすり抜ける姿は「本当に行かねばならないのは、箱根なのでは」という“錯覚”を抱かせる。そんな人が多いのかは定かでないが、年間の観光客は約二千万人に上っている。

風情をたたえた旅館、清流にかかる赤い橋、掛け声もにぎやかな土産店通り。湯本の駅周辺にはイメージ通りの温泉街が広がる。変わらないまま時代を通り過ぎ、昭和レトロの雰囲気もまとう。
ここから足を延ばす先は、噴煙の上がる大涌谷、ススキ草原の仙石原、富士山を仰ぐ芦ノ湖と多彩。乗り物も路線バスをはじめ、登山列車、ケーブルカー、ロープウエー、遊覧船。今年九月に、広い天窓のある観光施設めぐりバス「スカイライト」もデビューした。
だが箱根といえば、関所を見逃すわけにはいかない。江戸防衛の要衝で、現在は国の史跡。復元整備を昨年終え、往時のたたずまいが公開されている。史実と異なった印象を与える可能性があるため、あえて着色しない人形を展示したそうだが、かえって兵馬俑のようで面白い。楽しさが次々につながるのも、駅伝の地だからだろうか。

【ぽけっとメモ】
箱根関所跡脇にある御番所(おばんしょ)茶屋で、みたらしの道中だんご(300円)と甘酒(同)。芦ノ湖を一望できる場所だが、富士山にお目にかかるのはなかなか難しい。「お客さん、来るのが一日遅かったね」と言われ弥次喜多の気分に。
小田急ロマンスカーは新宿―箱根湯本が特急料金込みで2020円。関所見学は一般500円。
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