階段は美しい、楽しい
おすすめ度:★★★★★
東京・谷中の井戸付き階段
階段は坂道に比べ、地味。東京の街歩きをしていて、ふと思う。景色を味わいながら上り下りできる坂道に対し、段差に気を取られる階段はアピールが弱い。それでもファンは少なからずいるようで、惜しみなく愛情を注いだガイド本「東京の階段」という労作が生まれた。
著者は早稲田大で建築を学んだ松本泰生さん。フィールドワークの一環で、都心の階段を長年にわたって訪ね歩いた。120余りもの階段を「美しい」「歩いて楽しい」などに大別し、景観やスリルを五つ星で評価している。
現場の空気を細やかに伝える文章と写真が秀逸。東京の地形と階段について、学術的ながら分かりやすい解説を添える気配りも。一読、手入れの行き届いた階段を通った心地よさがある。発行は日本文芸社。1680円。
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