2008年10月31日
楽しさつながる安・近・短 ロマンスカーが誘う箱根
おすすめ度:★★★★★
復元された箱根関所
ガソリン高騰の影響で見直されている「安・近・短」の旅。身近な交通機関で移動、見どころをさっと回り、費用はリーズナブル。箱根(神奈川県)は、その条件に見合う代表格だ。
特急の小田急ロマンスカーは、新宿―箱根湯本を約一時間半で結ぶ大動脈。指定席でゆったり、素早く。朝夕ラッシュ時、混雑した電車をすり抜ける姿は「本当に行かねばならないのは、箱根なのでは」という“錯覚”を抱かせる。そんな人が多いのかは定かでないが、年間の観光客は約二千万人に上っている。

風情をたたえた旅館、清流にかかる赤い橋、掛け声もにぎやかな土産店通り。湯本の駅周辺にはイメージ通りの温泉街が広がる。変わらないまま時代を通り過ぎ、昭和レトロの雰囲気もまとう。
ここから足を延ばす先は、噴煙の上がる大涌谷、ススキ草原の仙石原、富士山を仰ぐ芦ノ湖と多彩。乗り物も路線バスをはじめ、登山列車、ケーブルカー、ロープウエー、遊覧船。今年九月に、広い天窓のある観光施設めぐりバス「スカイライト」もデビューした。
だが箱根といえば、関所を見逃すわけにはいかない。江戸防衛の要衝で、現在は国の史跡。復元整備を昨年終え、往時のたたずまいが公開されている。史実と異なった印象を与える可能性があるため、あえて着色しない人形を展示したそうだが、かえって兵馬俑のようで面白い。楽しさが次々につながるのも、駅伝の地だからだろうか。
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2008年10月28日
「はし」の魅力見直そう
おすすめ度:★★★★★
日枝神社の「箸感謝祭」
日本の食生活で最も身近な食器「はし」の魅力を見直そうという動きが東京で盛んになってきた。「箸の達人」育成に取り組む団体ができたほか、学術的な研究も活発化している。
都心の日枝神社(東京都千代田区)で毎年八月四日に行われる「箸感謝祭」。「はしの日」にちなみ関係者が全国から集まったが、今年はその場で「日本箸文化協会」設立が発表された。
はし製造販売会社の兵左衛門(福井県小浜市)と連携し、放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんや歌手のペギー葉山さんらが推薦人に。正しく美しいはし使いを、文化として後世に伝えていくのが目的だ。
メーン企画は「箸の達人」育成プロジェクト。協会認定の講師による小学校など教育現場での「箸知育教室」開催や、検定試験の実施を検討している。脳の活性化やリハビリテーションの道具に、はしが使われている点にも注目し新たな使われ方を開拓するという。
同協会代表のフードプロデューサーは「最近は若者の七―八割がはしを正しく持てていないという印象。学ぶ環境をまず整えたい」と話す。
一方、日本、中国、韓国でのはしの歴史や将来像について、研究者同士が意見交換する講演会「お箸を通した国際交流」が十一月九日に東京芸大で開かれる。
主催は、昨年発足した「国際箸文化研究所」(所長・三田村有純・東京芸大教授)。三カ国の研究者がはしに関する美学や問題点をシンポジウム形式で語る。「世界人口の約三分の一が、はしを使っている。多角的に探っていきたい」と三田村教授。講演会は一般に無料で公開する。
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2008年10月27日
階段は美しい、楽しい
おすすめ度:★★★★★
東京・谷中の井戸付き階段
階段は坂道に比べ、地味。東京の街歩きをしていて、ふと思う。景色を味わいながら上り下りできる坂道に対し、段差に気を取られる階段はアピールが弱い。それでもファンは少なからずいるようで、惜しみなく愛情を注いだガイド本「東京の階段」という労作が生まれた。
著者は早稲田大で建築を学んだ松本泰生さん。フィールドワークの一環で、都心の階段を長年にわたって訪ね歩いた。120余りもの階段を「美しい」「歩いて楽しい」などに大別し、景観やスリルを五つ星で評価している。
現場の空気を細やかに伝える文章と写真が秀逸。東京の地形と階段について、学術的ながら分かりやすい解説を添える気配りも。一読、手入れの行き届いた階段を通った心地よさがある。発行は日本文芸社。1680円。
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2008年10月24日
浅草丸ごと楽しむ大観光祭
おすすめ度:★★★★★
「大開帳」を告げる立て札
東京大空襲で焼失した浅草寺本堂の再建から、今年で五十周年。これに合わせ、見どころ満載の「浅草大観光祭」が開幕した。十一月下旬まで約二カ月にわたって繰り広げられる。
同寺のイベントは、十四年ぶりという「大開帳」。十一月十六日までの期間中、慈覚大師円仁が平安時代に秘仏の代わりとして彫刻した「お前立本尊」が拝観できる。
同寺の宝蔵門では十月二十六日、ほぼ十年に一度の「大草鞋奉納式」がある。山形県村山市から運ばれ、門につり下げられる長さ約四・五メートルの大わらじは見応え十分。由来は護国の象徴だそうだ。

本堂西側には、江戸の風情が楽しめる街並みを再現した「浅草奥山風景」を十一月二十五日まで設営。江戸小物や玩具、ちょうちんなど約六十店が並び、大道芸やかわら版売りの演出も。一枚三百円で両替する平成小判を使い、奥山風景と仲見世商店街で買い物ができる趣向を取り入れた。

境内の特設会場に堂々の構えを見せるのは、歌舞伎の中村勘三郎さんが奮闘する「平成中村座」。演目は「仮名手本忠臣蔵」(十月二十六日まで)と、「隅田川続俤(ごにちのおもかげ) 法界坊」(十一月一日―二十五日)。
一方、両国の江戸東京博物館は「浅草今昔展」を十一月十六日まで開催。ちょっと足を延ばして、知識を深めるのもいいかもしれない。
浅草寺の参詣者は年間約三千万人。海外からの旅行者も多い。大観光祭を主催する浅草観光連盟会長は「総力を挙げて盛り上げ、国際観光都市としての地位を確かなものにしたい」と話している。
(写真提供:浅草観光連盟)
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2008年10月23日
暗闇で「食」に向き合う
おすすめ度:★★★★★
「暗闇ごはん」
東京・浅草の緑泉寺に風変わりな夜のイベント「暗闇ごはん」があると聞き、参加した。海外で行われている「ブラインドレストラン」を日本流に取り入れたものだ。
この日の参加者は男女十数人。アイマスクを着用したまま座敷へ案内される。「最初は液体です」「次はお皿に軟らかいもの」と順々に運ばれる和食コース料理に手を伸ばす。光は、あんどん一つだけ。
手探りではしを持ち、ぐにゃりとしたものをこぼしながら口に入れた。カニ風味の豆腐?と思ったものが、後の解説では「枝豆豆腐」。においや食感では何か分からなかった。「普段は考えずに食べることが多い。暗闇では一口一口真剣に向き合ってみてほしい」と主催者の青江覚峰さん。
開催は不定期で、ほぼ月一回。参加費は三千円で要予約。詳細は彼岸寺ホームページ、http://www.higan.net/
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2008年10月22日
下町の魅力を街歩きで
おすすめ度:★★★★★
赤穂浪士が討ち入った吉良邸跡
赤穂浪士が討ち入りした吉良邸跡、大相撲の本拠地・国技館などで知られ、高さ約六百十メートルの新タワー「東京スカイツリー」が二〇一一年完成予定の東京都墨田区。下町らしい魅力を積極的に広めようと、多彩なイベントをこの秋に繰り広げる。
柱となるのは「橋架け350 ぶらり両国街かど展」(十一月十六日まで)。今年が、隅田川にかかる両国橋の架橋工事から三百五十年に当たるのを弾みにした。期間中は、吉良邸跡や、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」ゆかりの場所、にぎりずし発祥の地など計五十の歴史スポットに高札を立て、街歩きを楽しんでもらう。また水上バスが両国―浅草間で臨時運航し、川面からの眺めを味わえる。両国にある江戸東京博物館の「浅草今昔展」も同期間の開催だ。
十月十一、十二の二日間は国技館通りを歩行者天国にして、出店や曲芸、菊人形で江戸のにぎわいを再現する演出。一方、ボランティアによるガイド付きツアーも休日を中心に実施。「花のお江戸を訪ねる」「職人工房巡り」「大相撲に親しむ」「鬼平と歩く両国」など計十一コースを用意した。
ほかにも、両国が生誕地の「勝海舟展」や、伝統工芸の技が間近に見られる「大江戸すみだ職人展」が十月八―十三日に同区内で開かれた。
「町中に仕掛けをちりばめました」と墨田区観光課が自負するように、盛りだくさん。同区は東京スカイツリー開業後には、観光客が年間二千万人超と予測。今後、八年計画で観光資源を掘り起こす方針で、本イベント以降も攻勢をかける。
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2008年10月21日
エコに貢献、都会の居間へ ベロタクシーで行く六本木
おすすめ度:★★★★★
六本木を走るベロタクシー
歩行者より速く、自転車より遅く―。ベロタクシーに乗ると、これまで体感したことのないスピードで、ひと味違う東京の姿が見えてくる。
ベロタクシーはドイツ発祥の自転車タクシー。平地を平均時速十一キロで進み、上り坂は電動アシストが威力を発揮する。白い卵形のボディーの中を風が通り抜ける。看板一つ一つの文字が読め、自動車を運転する人と頻繁に目が合う。
こぎ続けるドライバーはハードそうだが「会話もできる有酸素運動。楽しいんです」と意外な答えだ。人力車やかごも、こんな風に運ぶ人と運ばれる人との距離は近かったのだろう。

メーターの料金九百五十円を支払うと、レシートに「約405グラムのCO2削減」との表示が。自動車で移動した時との比較だ。快適な乗り心地と、エコにも役立ったお得感に心満たされた。
東京タワーから六本木の東京ミッドタウンまでの約二十分は、あっという間。建築家隈研吾さん設計のサントリー美術館へ。「都市の中の居間」をうたう。和紙を通した明かりや、ウイスキーだる用のホワイトオークを再利用した床材。豪華で落ち着きのある邸宅に招かれたようだ。
陶磁や染織などの収蔵品は約三千件。西洋絵画を「和モダン」の空間で楽しめるのも魅力だ。自然光を取り込む仕掛け「無双格子」もある。
ベロタクシーは初乗り0・5kmが300円、0・1kmごとに50円加算。停留地は東京タワー前と有楽町駅前。雨天運休。サントリー美術館の入館料は展覧会によって異なる。
吹き抜けの階段を下りてくる来館者同士がささやき合う。そのこだまを聞いていると、たわいもないおしゃべりがとても価値あるものに思えてきた。
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2008年10月20日
読書の秋に神田古本まつり
おすすめ度:★★★★★
古本まつりの「本の回廊」
古書と新刊を扱う店がひしめき「世界一、書店が集まる街」とも呼ばれる神田神保町。読書週間が始まる十月二十七日から、街最大のイベント「神田古本まつり」が開催される。毎年恒例の名物行事で今年で四十九回目。十一月三日までの期間中は即売展などで、読書の秋を盛り上げる。
主催は東京都千代田区と神田古書店連盟で、参加は約百店舗。メーンイベントとして「青空掘り出し市」が期間中、毎日午前十時から開かれる。古書店が軒を連ねる靖国通りの歩道に、書店と向き合うように書棚が約八百メートルにわたって連なった「本の回廊」が出現する。
神保町には専門書を扱った古書店が多いが、掘り出し市には百―五千円程度で計百万冊余りを出品。学術系からサブカルチャーまで。例年、活字マニアが両手に持った紙袋にあふれるほど詰め込んだり、全集ごと購入したり。古書好きな外国人も集まり、通りは人で埋め尽くされる。
東京古書会館で開かれる「特選古書即売展」(十月三十一日―十一月二日)は希少本に出合える機会。過去には、杉田玄白らが翻訳した西洋医学書「解体新書」や川端康成の書簡など、数百万―数十万円の値を付けた高額商品も並んだ。
一方、協賛行事として、地元の新刊書店などが主催する第十八回「神保町ブックフェスティバル」も十一月一日―三日に開かれる。会場は、靖国通りに近い小学館・集英社前広場など。汚れが付いた新刊本などがディスカウント価格で販売される「本の得々市」のほか、作家らの講演会やトークイベントといった企画も多数予定されている。
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2008年10月17日
おやじギャグで盛り上がれ
おすすめ度:★★★★★
カラフルな絵札が並ぶ
ときに場の空気を凍り付かせる、おやじギャグ。聞く相手に苦痛すら感じさせてしまうこともある“痛さ”満載の「おやじギャグカルタ」(1575円)が登場した。
読み札には「そんなバナナ!」や「課長、かっちょぇぇ~」、「中年だっちゅうねん」、「お金っておっかね~」といった思わず顔が引きつりそうな44連発。
一方、絵札にはシュールで派手なイラストを描き、カラフルなイメージ。通常は「ダサイ」と思われがちなおやじギャグとのギャップを演出し、見て楽しんでもらう工夫もした。
遊び方は通常のかるたと同じだが、プレーヤーだけではなく読み手も主役になれるのが特徴。間の取り方やアクセントによって場の盛り上がりに一役買えるので、参加者全員が楽しめる。
発売元の玩具メーカー「ビバリー」(東京都中央区)によると、最近は価格が手ごろで、趣向を凝らしたカードゲームが人気という。担当者は「景気が悪く、給料も上がらない中、費用をあまりかけずに楽しんでもらえれば」と話している。
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2008年10月16日
ふるさと思う白砂の浜辺 京浜急行でノリの町へ
おすすめ度:★★★★★
大森ふるさとの浜辺公園
品川から京浜急行の特急に乗ると、十分足らずで平和島。駅前に民家や商店が低い軒を連ね、何げない日常を形成する。細い路地を抜けて東に十五分ほど歩けば、太陽の光を反射して輝く真っ白な砂浜が、緩やかな弧を描いていた。
長さは四百メートルほど。江戸時代から昭和中期にかけてノリ養殖が盛んだった海岸を再現した「大森ふるさとの浜辺公園」。白砂は香川県の小豆島から運び込んでいる。夏場は毎日八百―千人が磯遊びに訪れるという。

沖には人工の干潟があり、魚影が濃い。陸側の斜面は手入れされた芝生の緑。対岸の工場群や首都高速道路を行き交うトラックが見えなければ、都会にいることを忘れる、ぜいたくな空間だ。

幼い子どもたちがひざまで水に漬かってはしゃぎ回り、北端にある人工の岩場では、親子がカニ捕りに歓声を上げる。波は穏やかで浜風は薫り、遠浅の海。ノリ養殖全盛期の光景が目に浮かんだ。

砂浜エリアから橋を渡れば、今年四月に開館した大田区立「大森海苔のふるさと館」が立つ。三階建ての博物館では、昭和三十年代に造られた全長十三メートルの海苔船や、足の届かない海で作業する際に履いたげたといった多くの資料が、町の誇りを伝える。
ほとんどが国の重要有形民俗文化財だが、柵はなくギリギリまで近づける気軽さ。写真もOK。七十代の女性と小学生が資料を囲み、興味深く見つめていた。“ふるさと”は世代を超えて、響くのだろう。
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2008年10月15日
成熟の街、拒まぬ柔らかさ 渋谷と好対照の代官山
おすすめ度:★★★★★
エレクトリックひまわり
渋谷から東急東横線で一駅の代官山。各駅停車しか止まらないが、街の成熟度は高く、きらびやかな渋谷と好対照の表情を見せる。古くから住宅地として発展し、ヒマワリを植えて育てる運動など住民の愛着も強い。
若者に人気の恵比寿からにぎわいは連なり、ファッションや雑貨の店、カフェが渋めのストリートを形成する。脇道を入れば、門構えも立派な一軒家。先鋭的な空気と生活感が柔らかくブレンドされ、訪れる人を拒まない。ぶらり歩きで、店のカウンターで寝そべる犬と目が合った。見るとクリーニング屋さん。でも「これでいいのだ」と思わせる、おうようさが漂うのだ。
「太陽がいっぱい」と主張するオブジェ「エレクトリックひまわり」をくぐると、おしゃれなビルの向こうに壮大な屋敷が姿を現す。関東大震災以前の大正期に建った旧朝倉家住宅で、国の重要文化財。今年六月から一般公開が始まった。一帯の大地主にふさわしく、迷子になりそうな部屋の数。二階から奥深い回遊式庭園を見下ろせば、あやうく「ヤッホー」と…。

スフィンクスが門前にいるエジプト大使館や、美空ひばりさんの自宅だった「ひばり御殿」を横目に、西郷山公園へ。西郷従道が兄隆盛の再起を願って土地を入手したがかなわず、自らの別邸にした跡地、と碑文にある。今も見晴らしが良く、鹿児島県の自治体から贈られた樹木が日陰をつくり出す。緑の風が通り抜け、つかの間、現代を忘れさせた。
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2008年10月14日
銀ブラ証明書をどうぞ
おすすめ度:★★★★★
「銀ブラ証明書」
国語辞典で「銀ぶら」を引くと「東京の繁華街銀座通りをぶらぶら散歩すること」とある。だが実は、もう一つの説がある。
「銀座にブラジルコーヒーを飲みに行くこと。慶応大学の学生が唱えたのが始まりなんです」
そう語る矢沢秀和さんが店長を務める「カフェーパウリスタ」(中央区銀座8丁目)は、近く創業100年を迎える老舗の喫茶店。
作家佐藤春夫も慶応時代を振り返り「芝公園を出て新橋駅待合室経由パウリスタというのが我々の定期行路」(詩文半世紀)と記している。
パウリスタでは、利用客にポイントカードを兼ねた「銀ブラ証明書」を手渡す。お勧めは、来日したジョン・レノン夫妻も好んだという「パウリスタオールド」(498円)。創業時の味を再現したブラジルコーヒーだ。
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2008年10月10日
猫カフェ、東京に続々誕生
おすすめ度:★★★★★
「ねこカフェ マーサスミス」
猫と遊びながらお茶を飲んで過ごせる「猫カフェ」が、東京で続々と誕生している。都会に猫が減る一方、猫に安らぎを求める人が増え、ニーズが高まったことが理由のようだ。
東京・自由が丘の「ねこカフェ マーサスミス」は今年七月オープン。フリードリンク制で、三十分七百円から。本業はペットショップだが、増えた猫を一つの部屋に集めたら「いっそ猫カフェにしたら」と客に勧められた。
「かつては野良猫が至る所にすみ着いていたが、すっかり見かけなくなった」と店長さん。東京では集合住宅に住む人が多く、飼育禁止も少なくない。また野良猫へのえさやりなどは、住民トラブルにつながることがある。ブームの要因には、そんな猫好きの閉塞感もありそうだ。
新しい業種だけに課題はいろいろ。どの店も、特に客にけがをさせないよう細心の注意を払っている。
八月に開店した「たまねこ」(東京都多摩市)のオーナーは「うちはお子さんも歓迎。だから人懐っこい猫を選び、ツメをしょっちゅう切ってます」と話す。
東京の猫カフェを特集したムック「猫カフェめぐり」(エンターブレイン)を編集したライターは「精神的に疲れている人が東京で増えていることも、ブームの背景にある」と指摘。確かに猫は過剰に構ってほしがることもなく、それでいて、何げなく人間を受け入れてくれそうな気がする動物だ。
逸見さんは「今後もニーズが多様化し、猫カフェのサービスも進化していくと思う」と予測している。
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2008年10月09日
映画愛高じ、グッズ専門店
おすすめ度:★★★★★
キャラクターグッズで埋まった店内
「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」などのアニメで知られる米国ディズニー/ピクサー映画のキャラクターグッズ専門店「Wally B.(ウォーリー・ビー)」が、東京・自由が丘に誕生した。
ピクサーの大ファンである経営者が広告代理店を辞めて開いた店で、長年買い集めた品が床から天井まで埋め尽くす。約1000種類。製造中止になったものもある。「米国でも例がない。恐らく世界で初めての専門店」と、タナカさんは言う。
店の名前も、ピクサーの人気クリエーターであるジョン・ラセターさんが初めて手掛けたCG作品から採る徹底ぶり。「映画の世界観を残しておきたい」のがコンセプトで、足を踏み入れたとたん歓声を上げるファンも多いそうだ。
フィギュア、ぬいぐるみ、文房具、Tシャツ…。価格は100円程度から、「モンスターズ・インク」仕様のボウリング球の約15万円まで。レアものも惜しげなく飾られ、アニメの博物館にいるような楽しさにあふれている。
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2008年10月08日
東京の青空を楽しむ短い旅 2階建てバスで銀座巡り
おすすめ度:★★★★★
座席から見た銀座の街並み
東京の青空を楽しんでみよう。そんな気分に誘われて、二階建てオープンバス「スカイバスTOKYO」に乗った。皇居を一回りする、約五十分間の短い旅だ。
真っ赤なバスは、東京駅近くの乗り場を出る。新丸ビルを見て、左折すると皇居のお堀。並木道は枝が頭上のスレスレに迫り、結構迫力がある。
バスの屋根をすっかり取り去ったようなつくり。一階席もあるが、そこに座る人はいない。見上げれば空、首を回せば三百六十度を見渡せる。「草木の香りが気持ちいい」とガイド。背伸びして風をかぐと、確かにすがすがしい。
国会議事堂から霞が関の官庁街を通り、銀座を見て再び乗り場に着く。さて、このまま帰るのはもったいない。上から見た銀座の街を今度は自分で歩いてみよう。乗り場から十分も進めば、銀座一丁目が見えてくる。

四丁目交差点を曲がると、歌舞伎座。着飾った中年女性が、看板にひいきの名を見つけ、はしゃいでいる。
正面左側に「一幕見席」の切符売り場がある。複数ある演目を、一幕だけ見られる四階の自由席を指す。料金も、千円前後とお得。時間もちょうど良いので、一幕だけ見ていくか。
歴史のある歌舞伎座の天井が間近なのも四階席の良さ。「大和屋ぁ」「成駒屋っ!」と、通が放つ掛け声も近く、抑揚が人それぞれなのも面白い。新たな発見に満足し、歌舞伎座を出る。ともり始めたネオンを背に、暮れゆく銀座を後にした。
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2008年10月07日
TAIKOビクスが人気
おすすめ度:★★★★★
レッスン中のインストラクターら
有酸素運動の激しさも和太鼓の楽しさでクリア―。日本の伝統的な打楽器とエアロビクスの動きを融合させた「TAIKOビクス」が人気だ。京都発祥の和太鼓教室「TAIKO―LAB(タイコ・ラボ)」が開発したプログラム。東京・渋谷の青山教室は、汗を流す主婦やOLでにぎわっている。
「1、2、3!」「はい、もう一度!」。講師の掛け声と音楽に合わせ、ステップを踏んだり、太鼓の周りをぐるりと回ったり。生徒が一斉に打ち鳴らす太鼓の音が、室内にドンと響く。
「たたくことは、おそらく人間が本能として備えている動作」とスタッフの男性。「そこに太鼓の心地よい響きが加わると、苦しさを忘れてしまうほど夢中になってしまうんです」と話す。
そうした和太鼓の利点をエクササイズに特化したプログラムを開発しようと研究を重ね、青山教室で昨年4月から生徒を募集し始めたところ、たちまち話題になった。
東京と京都のほか、近く大阪の教室でも始める予定という。
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2008年10月06日
来年の手帳、今が最盛期
おすすめ度:★★★★★
細やかな手作業が生きる
来年の手帳の生産は晩夏から初秋が最盛期。手書きはいかにもアナログに思えるが、出荷数はここ数年、右肩上がりだそうだ。高いシェアを持つ「能率手帳」の生産を任されているメーカー「新寿堂」の板橋工場(東京都板橋区)を見学した。
地上3階の工場内はインキのにおいが漂い、機械音がリズミカルに鳴り響く。手帳6冊分の日付やけい線が印刷された用紙(縦約110センチ、横約79センチ)が裁断され、折り曲げられ、束ねられ。年の瀬の商戦に向け、社員総出で仕上げていく。
手帳本体と表紙を張り合わせる作業は、今も人の手に頼る。のりの水分で紙が膨張してゆがむのを防ぐためだ。長机を囲む作業服姿の女性が五本の指を器用に使い分ける。寸分の狂いも許さない視線に、ものづくりへのこだわりが見えた。
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2008年10月03日
江戸のにぎわい見て触れて 総武線で江戸東京博物館へ
おすすめ度:★★★★★
「寛永の町人地」
黄色の帯が目印のJR総武線に乗り、秋葉原駅から東へ。陽光きらめく隅田川を渡れば両国駅だ。駅前にそびえる緑色の屋根が国技館。すぐ隣で大きさを競うように、高床式のユニークな建物が威容を誇っていた。

一九九三年にオープンした江戸東京博物館。五、六階が吹き抜けの常設展示室で、豊富な巨大模型や精巧なジオラマの人気が高い。入館者はこれまでに二千四百万人を超えた。

六階入り口を抜けると、江戸開府に際して完成したとされる木製の「日本橋」が真っすぐ延びている。幅約八メートルは実物大で、長さは半分の約二十五メートル。橋の下には、芝居小屋「中村座」の正面が見える。途切れない入館者に交じって橋を渡れば、往時のにぎわいがよみがえってきた。

日本橋北詰付近の町並みを再現したジオラマ「寛永の町人地」に、高さ五センチほどの人形約八百体がひしめき合う。魚を売り歩く商人、登城の侍、踊りの一団…。夜間に陳列品が動きだす映画「ナイトミュージアム」を、ふと思い出す。
触れて楽しむ展示に趣向が凝らされ、外国人観光客も多い。重さ約十五キロもある町火消しのシンボル、まといを持ち上げるコーナーには人だかりができた。

明治期に創刊された「朝野新聞」の復元社屋に沿って進むと、戦前の東京を中心に振り返る展示ゾーン。旧日本軍が米国本土を攻撃するため使用した風船爆弾の縮小模型を、珍しそうに見上げる若者ら。戦争を知らない世代である自分自身の姿にも映った。
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2008年10月02日
巨大錦絵に見る北斎パワー
おすすめ度:★★★★★
橋のたもとに出現した錦絵
今も昔も、相撲や花火見物、寺参りでにぎわう東京の下町・両国。特に、隅田川を東西に渡る両国橋かいわいは、たもとに火よけ地として設けられた広小路が江戸有数の観光名所だった。
その面影を知ってもらおうと、橋東側の道路沿いに、巨大な錦絵が2枚登場した。なじみの深い葛飾北斎による「両国納涼」。といっても工事現場の壁に張られた複写フィルムなのだが、高さ4メートル幅14メートルと高さ3メートル幅10メートルのサイズは、いやでも目を引く。
今年、幕府が橋を架け始めて350年目に当たるのを記念した地元イベントの一環。航空写真のような構図、細部まで徹底した描写、メリハリの利いた色づかい。離れても近づいても、北斎はすごい。それをあっさり見せるところに、下町の粋も感じさせる。展示は11月末まで。
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