今と昔が同居する観光島 江ノ電で湘南のシンボルへ
おすすめ度:★★★★★
島の西側にある岩場
神奈川県の藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ約十キロを、鼻歌交じりの気楽な速度で進む江ノ電。正式は江ノ島電鉄だが「江ノ電」の方が通りがいい。
江ノ島駅で降りて海に続く、にぎやかな商店街を進むと、江の島と陸をつなぐ長さ三百八十九メートルの弁天橋が姿を現す。ぎらぎらの太陽。青い空をゆっくりと横移動する雲を背に、江の島が暑さでゆらめいている。

湘南のイメージは石原慎太郎・裕次郎兄弟、それともサザンオールスターズ? サザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」にも登場する周囲約五キロの島はまさにシンボル。遠目に見るとクールで「イカした感じ」なのだ。

だが島に入ると、今と昔が仲良く同居する伝統的な観光地が見えてくる。寺院や神社があり、参道には食堂や土産物屋も。「さあ、らっしゃい」と盛んに声を掛けてくる。若者が集まる片瀬海岸の利用客を含め、昨年は千三百四十万人以上が押し寄せた。

島のてっぺんには、海岸を一望できる展望灯台がある。徒歩で坂道を上ってもいいが、年配者は「エスカー」が便利。頂上まで大人三百五十円。どんなイカした乗り物かと思えば、ただのエスカレーターなのだが、ここではそんな名称でなじんでいる。

島の裏にある岩場に行くと、自然にできたプールで家族連れが声をからしてはしゃいでいた。大人が頭から飛び込める深さ。「五メートルあるそうですよ」とお母さんは元気に笑う。そばにある「江の島岩屋」も、波の浸食でできた奥行き百メートルを超えるイカした洞窟だ。

【ぽけっとメモ】
江の島参道沿い「磯料理天海」の「あじ生しらす丼」(1575円)は、カタクチイワシの稚魚のシラスとアジが同時に楽しめる一品。深い味わいと、つるりとしたのどごしがいい。
JRの東京―藤沢が950円。江ノ電の藤沢―江ノ島は210円。







