笑いと演出で大にぎわい 京浜東北線で上野アメ横へ
おすすめ度:★★★★★
人気のチョコのたたき売り
しゃがれた男性の声が、電車のごう音に負けまいと音量を上げる。「千円千円」「おまけおまけ」―。JR京浜東北線から見えるアメヤ横丁の雑踏に誘われ、御徒町で下車。戦後の闇市から出発した商店街は、平日でも五、六万人が訪れる。
「汚い、くさい。でも、それがアメ横。そう言われるのはむしろ誇り」と、創業五十年以上の乾物店の店主。
地元によると、名前の由来は二つ。一つは、もともと「芋あめ」の露店が集まり、闇市の原型となったため。もう一つは、進駐軍の「アメリカ」から取ったとする説だ。
小気味の良い口上で客を買う気にさせるのは、見ているだけでも面白い。俳優の渥美清さんもこの辺りで露天商を経験したというが、ここには寅さんの起源があるのかもしれない。

豆やいかの袋を、道行く人に「もう一枚」と重ねて見せる。時には際どく、からかうようなことを言って笑わせる。交渉成立。商品を袋に詰め、客に手渡す瞬間に、もう一個。実は数が決まっているので、これは演出。だが、気に入った客には本当にラッキーな追加もあるから、たまらない。
北側の アーチをくぐると、右手に上野駅。「ふるさとの訛なつかし停車場」も、時代とともに姿を変えた。かつて集団就職の少年少女が降り立った駅周辺を、今は修学旅行の中高生が歩き回る。
「どっから来たの?」と売り子が問うと、少年は「宮崎…」。「じゃあ、どげんかせんといかんな」と、おまけのチョコを袋にぽい! 少々お古なギャグに、人だかりがどっとわいた。

【ぽけっとメモ】
東上野コリアンタウンの韓国料理店「ソウル」が出す「カムジャタン」(ランチ1人前980円)は、ブタの背骨とジャガイモを煮込んだ鍋。最後の雑炊はうま味がたっぷり、胃にしみる。
JR東京―上野間は運賃150円。 






