陽気と妖気に誘われて 京王線で調布、深大寺へ
おすすめ度:★★★★★
深大寺参道の「鬼太郎茶屋」
高層ビル群が迫る新宿で、昼前に京王線に乗る。特急で西へ十五分。調布駅前で路線バスに乗り換えると、リュック姿の年配の夫婦らで満員なのに驚く。陽光が差し込む車内は、遠足に向かう子どものような笑顔でいっぱいだ。
住宅地が途切れ、こんもりとした林の中で下車。千三百年の歴史がある「深大寺」は「だるま市」でも有名。境内はうっそうとした樹木に覆われ、豊かな緑に溶け込んでいるように見えた。

重厚なかやぶきの山門をくぐると、あちこちでわく清水が涼しげ。正面の本堂にお参りして、おみくじを引くと「浮世の世渡りはでき難し」。俗世を忘れて自然に親しめということか、と勝手な解釈をする。
寺の隣には「神代植物公園」。東京ドーム十個分という広大な敷地では、中央に噴水を配置したバラ園が素晴らしい。深紅や黄、紫、白など六千本の花が見ごろを迎え、鮮やかな色彩が目に飛び込んできた。
門前の一角に建つ、築約四十年の木造二階建て「鬼太郎茶屋」には若者の姿が多い。調布市在住の漫画家水木しげるさんの人気作品「ゲゲゲの鬼太郎」をモチーフにしただけあって“妖気”に誘われたのか…。
歩き回った足の疲れをいやそうと、褐色の「黒湯」が名物という深大寺温泉「ゆかり」へ徒歩五分。体がポカポカして、外に出るとまだ日が高い。「これで明日からも元気に働けるぞっ」。目玉おやじ風に小さくつぶやいてみた。

【ぽけっとメモ】
深大寺門前に、そばの店が20数軒。植物公園に面した「玉乃屋」の「細打ちせいろ」(950円)はそば粉が十割で風味が強く、もっちりとした舌触り。旬の素材を使う「季節の変わりそば」(1000円)などもある。
京王新宿―調布間が230円。京王バス調布駅北口―神代植物公園は200円。神代植物公園の入園料は一般500円。







