ほっと和む、大人の遊び場 都営新宿線で末広亭あたり
おすすめ度:★★★★★
末広亭
混雑で目まいがしそうな新宿駅から一駅離れるだけで、乗客の表情がほっと和らぐ。新宿から都営新宿線で新宿三丁目駅へ。同じドアから降りたのは、移動中のサラリーマンと若い男女、よそ行きのおばあちゃんといったところだ。
地上に出ると、大通りの向こうにオカマバーで有名な新宿二丁目が見えた。だがそこに用事はないので別の道を急ぐ。
落語の定席、新宿末広亭は、変化し続ける新宿という街にあって、最も雰囲気を変えない場所の一つだろう。最近、客足が良いのは聞いていたが、平日なのにやはり結構な入り。「待ってました!」。威勢のよい声が寄席を盛り上げ、はなし家たちも上機嫌の体だ。ベテランはさすが。中堅どころの頑張りも気持ちが良い。「親子酒」「井戸の茶わん」が良かった。

寄席の余韻に浸りつつゴールデン街に向かう。薄暮の花園神社の裏手に、レトロな蛍光灯の看板がひしめく。いかにも大人の遊び場っぽい。狭い路地をはさんで並ぶ長屋式の店舗群には、作家や演劇人らが集まる文壇バーも少なくない。
バー「深夜+1」で、バーボンをロックでオーダー。カウンターでにぎやかな輪の中心にいるのは、店主の内藤陳さん。コメディアンであり、ハードボイルド小説の批評もする内藤さんが柔和な笑みを浮かべていた。
「みんな映画と本の話をしにくる。よかったらまたおいで」。ほろ酔いで新宿の夜空を見上げると、神社側から温かい風が吹いてきた。帰りは新宿駅まで歩くとしようか。

【ぽけっとメモ】
末広亭の席亭もお勧めの和菓子店「追分だんご本舗」。まだらに焼き色を付けた皮であんこを包んだ「虎巻」(157円)が人気だ。沖縄産の黒糖を使っているので、甘みにコクがある。茶の香りが豊かな抹茶タイプもある。
新宿末広亭は一般2700円。新宿―新宿三丁目間が170円。







