ライオン対面に大はしゃぎ 50周年の多摩動物公園
おすすめ度:★★★★★
多摩動物公園のライオンバス
高層ビル群に埋もれるような新宿駅から京王線は西へ。高幡不動駅で、コアラやカンガルーが車両に描かれた「動物園線」に乗り換えた。
五十周年を迎える多摩動物公園(日野市)はコアラ館や昆虫生態園があり、希少動物種の保存にも取り組む。一九六四年には世界で初めて、放し飼いのアフリカライオンをバスで見て回るサファリ式展示を始めた。

「ゴオオォー」と車内放送がうなり出す。鉄格子の門が開いて「ライオンバス」がじわりと前へ。草原の緑がまぶしい。のどかな気持ちもつかの間、二十三頭のライオンに囲まれているのに気付いた。
丸太のステージで雌ライオンが、鼻をくんくんさせて“客引き”。バスが来ると立ち上がって、窓枠に付いた馬肉をひとのみした。「触りたーい」「こっち見て!」と、子どもたちはガラスを力いっぱいたたきだす。
猛獣らしい眼球がぐるりと動く。目が合った。「何か用?」とでも言いたげ。実は、ライオンの日常にアミューズメントをもたらしているのはヒト科の方だったりして…。ガラス張りの鉄の箱に入って来た人間は、餌を食べても腹ばいで寝ても、カメラやビデオ片手にはしゃぐのだから。
「見る」「見られる」楽しさを同時に味わえる乗り物はそうはないだろう。役者と観客が逆転する舞台装置のようで魅せられた。
バス運行が終わったライオン園から「ウォーン」という雄たけびが。「あーあ」「ヒトいなくなっちゃった」と言い合っているように聞こえてきた。

【ぽけっとメモ】
アフリカ園のレストランの人気メニュー「動物園ラーメン」。パンダのかまぼこがポイント。のりに描かれているのはライオンバス。この場所ならではの一品だ。680円。
京王新宿―多摩動物公園が330円。入園料は一般600円、中学生200円。ライオンバスは別途、運賃大人350円、中学生以下100円が必要。







