2008年03月31日
東京の大手予備校、春の陣
おすすめ度:★★★★★
来年にサクラサケ
東京都内の大手予備校が今春、都心に相次いで新校舎を建設した。“学住一体”の高層タワーや東大専門コースなどで特徴を出し、少子化時代に受験生確保を競う。
代々木ゼミナールは新宿駅から徒歩約五分の場所に地上二十六階、高さ百三十四メートルの「代ゼミタワー」(渋谷区)を四月に開校。代々木駅周辺に分散していた八校舎を集約した。
低層階を教室などの学習施設、十八階以上を居住空間にし、難関大学志願者専用の寮(全九十一室)を完備した。寮費は二食付きで年間百八十九万円からで、全国から問い合わせや見学申し込みが来ているという。
「通学交通費と時間の節約ができる。受験生は困ったとき、階を降りるだけで相談に行ける」と、同ゼミは自信を見せる。
東大志望者だけを集める新校舎で勝負するのは河合塾「本郷校」(文京区)だ。駒場校が本郷に移転することに伴い、東大専門の校舎に変えた。
安田講堂をモチーフにした外観が特徴で、現役東大生による受験体験談や研究室紹介セミナーも開催、受験生の学習意欲を刺激する。もちろん東大入試を想定した特別講義が最大の売り。「ここに来れば、毎日が東大のオープンキャンパスです」と、本郷校開設準備室は意気込む。
駿台予備校は、旧校舎を「新1号館」(千代田区)に建て直し、難関大コースの定員枠を広げる。「自習室やホールなど設備に配慮し、奥ゆかしさや落ち着きを大事にした。合格するために来てもらう」と話している。
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2008年03月27日
海辺の〝未来〟台場へGO
おすすめ度:★★★★★
「ASIMO」
昔見たアニメの近未来都市には、ビルの谷間を走るスタイリッシュなモノレールが必ず登場した。新交通システム「ゆりかもめ」は、それを実現したような列車。始発の新橋駅から、高架の上をすべるように走って臨海副都心へ向かう。汐留の高層ビル群を抜けると、海が見えてきた。
大きな車窓からの眺望は、ゆりかもめならでは。レインボーブリッジで東京港を渡ると、きらきら光る海がまぶしい船の科学館駅で下車し、少し歩いて日本科学未来館へ。球体がくっついたような個性的な外観なのですぐ分かる。球体は、満天の宇宙を投影するドームシアター。プラネタリウム開発者大平貴之(おおひら・たかゆき)さんの「メガスターⅡ」が常設され、途切れぬ人気を誇る。

宇宙飛行士の毛利衛さんが館長を務めるこの施設は、環境や生命科学、宇宙など最先端の科学技術を、多彩な展示方法で紹介。内視鏡手術やインターネットのモデル、二足歩行ロボット「ASIMO」の実演…。技術の結晶に見たり触れたりするうちに、子どもたちの目がみるみる輝きだす。
大平さんも最初はアマチュア。近未来の技術も、最初は誰かの「なぜ?」から始まる。問い続ける無邪気さと、形になる驚き、手で作る喜びを思い出した。
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2008年03月24日
スローな巡礼 水上バスで浅草へ
おすすめ度:★★★★★

煙に巻かれたい
スクリューが回転数を上げる。エンジン音が船内の床を突き上げる。舞い上がる水しぶき。鳴り響く汽笛と出来たての航跡が、日の出桟橋からの出発の証しだ。
この日は「道灌」号がお出迎え。東京都観光汽船の客船は全十一隻。どの船に乗れるかはその日の潮位と天候次第。すべては巡り合わせ。
どんより青緑色の水をかき分けて動く船体。時速十数キロのスローモーションで見る東京だ。両岸の道より低い目線で眺める建物群。まるで箱や積み木をポンポン置いたよう。切れ目では、奥の細道へと旅立つ芭蕉像が川を見つめ、今と昔が入り交じる。
勝鬨(かちどき)橋をスタートに隅田川に架かる橋めぐり。その裏側を見るのも楽しみのひとつ。欲求を満たすべく、乗客は船尾から上体反らしてリンボーダンス。永代橋通過のスレスレ感には大歓声も。
ゴールは、孫悟空の乗った雲のような黄色いオブジェを掲げるビルが目印だ。約四十分のクルーズで浅草・吾妻橋に到着。

雷門をくぐり、仲見世商店街。ねずみ年を祝う飾り付けに気分も高まる。人形焼の甘いにおい、まんじゅうを油で揚げる音。浅草寺にたどり着く前に食欲に負けそうだ。
お線香上げでは、外国人観光客が高級ブランドのバッグと財布を全開。煙を手で必死に取り込む。隣にはマクドナルドの袋を手にした修学旅行生も。みな思うがまま。いや、この勝手さが活気だ。思えば、東京最古の寺への巡礼。聖地の懐は広く深いようだ。
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2008年03月19日
ぐるっと回遊、電車と魚 品川
おすすめ度:★★★★★
癒やされます
西に緑の皇居、東にビジネス街が広がるJR東京駅は、首都の玄関口として計十四のホームを有する。四、五番線の電車は山手線(やまのてせん)。三十四キロ余りの環状線で、毎日都心を周回する。
朝九時。東京名物のラッシュアワーも一段落し、通勤客の表情も穏やかに。東京駅五番線から緑色のストライプの山手線に乗り込むと、車内は意外に静か。窓ガラスの外で、青と白のツートンカラーの東海道新幹線が並走していた。発車直後で低速だから、山手線と抜きつ抜かれつの競争。品川までは京浜東北線なども参戦し、にぎやかなレースになる。

山手線の起点は、一八七二年誕生の品川駅。一番線沿いの白い標識には「0」と記されている。昔、蒸気機関車(SL)も停車したはずのこのホームの南端には今、喫煙所が設けられている。サラリーマンたちが紫煙をはく様子はまさにSL。
仕事でお疲れ気味の大人の癒やし空間として人気を集めているのが、品川駅から徒歩二分の水族館「エプソン品川アクアスタジアム」だ。
足を踏み入れると、巨大なトンネル型水槽が出迎える。青い光の中を、サメや熱帯魚がのんびりと回遊。こんな光景を眺めながら食事ができるレストランがあるのも売りで、魚たちとの“会食”は何ともオツな気分だ。
海中で遊ぶイメージで造られた施設らしいが、確かに入館者も海の生き物も楽しそう。やはり山手線も回遊してくれるから、東京は楽しい街なのかもしれない。
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2008年03月17日
歌舞伎座で「第九」復活
おすすめ度:★★★★★
心を繫ぐ「第九」
風物詩として定着している、ベートーベンの「交響曲第九番」年の瀬公演。日本での年末演奏の発祥は、一九三八年十二月の歌舞伎座公演とされているが、その歌舞伎座(東京都中央区)で四月二十七日、第九公演が七十年ぶりに開かれることが決まった。
歌うのは中央区第九の会。演奏する中央区交響楽団と合わせ、総勢三百人以上のアマチュアで挑む。
七十年前に歌舞伎座で第九を演奏したのは、NHK交響楽団の前身の新交響楽団。欧州で活動した指揮者のヨーゼフ・ローゼンシュトックが「ドイツでは年の変わり目に第九を演奏する習慣がある」と紹介したのがきっかけとされる。
第九の演奏は、九四年の楽団結成以来の目標だったが「楽団だけでなく、合唱団も区民でやりたい」と団員を広く募集。年末を目標にしたが、歌舞伎座との調整で公演は四月になった。
第九の会は、楽団や区立銀座中学校同窓会などを中心に、二〇〇七年三月結成。十四―八十二歳の計約二百二十人が月二―四回集まり、練習を重ねている。合唱自体が初体験の会員は、女性の約半数、男性の三割を占めるが、昨年末にお披露目公演を成功させるなど、着実に経験を積んだ。
合唱団長を務める中学校長は「人情や人とのつながりなどが薄れてしまった現代こそ、もう一度手を取り合おうというような、心の温かみを表現する第九を歌いたい」と話している。
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2008年03月13日
ツバキが彩る春 伊豆大島
おすすめ度:★★★★★
アンコ~ツバ~キーはぁぁぁ♪
雄大な三原山がそびえる伊豆諸島最大の島、大島。東京都心から百二十五キロ南にあるため平均二、三度暖かく、三月下旬まで島中で咲くツバキを楽しむ「椿まつり」でにぎわう。東京・竹芝桟橋から高速ジェット船「セブンアイランド」に乗り、春を探しに出掛けた。
高速ジェット船は前後二枚の水中翼で海面から船体を浮かせ、時速八十キロで水上を飛ぶように走る。波による横揺れをほとんど感じず、快適。洋上から見る羽田空港など珍しい眺めも楽しい。わずか二時間弱で大島北部の岡田港に到着。海の向こうに富士山の真っ白な頂がくっきりと見えた。
大島のツバキは、防風林として植えられたのが始まりとされる。島内には、空を覆うほどの高さのツバキのトンネルや、樹齢四百年の大木も。椿まつり会場の大島公園には四百種類以上、一万本を超えるツバキが栽培されている。満開になると、一面が赤、ピンク、白に覆われるという。

公園では、胸元にツバキを挿した伝統衣装の「あんこさん」が出迎えてくれる。あんこさんとは「あねさん」という意味の方言。四季折々の花が咲く大島では、若い年代の旅行者が増加中という。
温暖な気候と大自然に癒やされたら、赤いツバキに誘われて恋の花が咲くかもしれない。都はるみさんの、あの歌のように。
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2008年03月10日
武将グッズが女性に人気
おすすめ度:★★★★★
頼りがいのある男たち
石田三成のフィギュアや上杉謙信が描かれたマグカップなど、戦国武将を題材にした商品の専門店「時代屋」が東京・台場の商業施設にオープンし、若い女性客らでにぎわっている。
店先では伊達政宗の巨大キャラクターが来店客をお出迎え。45平方メートル余りの店内には戦国武将の家紋を記したTシャツなど200種類以上の商品が所狭しと並ぶ。特に小型フィギュア、ミニのぼり、タオルなど1000円前後の商品がよく売れるという。話題の彦根城築城400年祭のPRキャラクター「ひこにゃん」も好評だ。
昨年12月に店が誕生して以来、来店者の約7割は20、30代の女性客が占める。彼女たちに人気の武将のトップは、関ケ原の戦いに敗れた石田三成で、真田幸村、明智光秀ら非業の死を遂げた武将が続く。豊臣秀吉、徳川家康ら“勝ち組”の人気はいまひとつ。
美形キャラクターが登場する漫画やゲーム、時代劇ドラマなどの影響が大きいようで、店主の松本雅行さんは「頼りがいのある男への、あこがれの表れでもあるのでは」と分析している。
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2008年03月06日
駅の出入場情報で安心を
おすすめ度:★★★★★
気を付けてね
子どもが駅を通過した情報を保護者に配信するサービスを、関東の大手私鉄である小田急と東急が昨年暮れから相次いで始めた。記名のあるICカード乗車券PASMO(パスモ)の機能を利用したもので、小中学生の保護者らに「安心感が増した」と好評だ。
子どもが自動改札機をパスモで出入場すると、保護者の携帯電話に駅名や通過時刻がメールで届く仕組み。いずれも契約は6カ月単位で、利用料は月額525円。
小田急の場合、沿線の私立小中学校に子どもを通わせる保護者から申し込みが多いという。同社はこれまで磁気式定期券で同じサービスを行ってきたが、保護者から「習い事などで定期券区間外にいくときにも使えたら」などの要望が相次いだため、約4000万円をかけパスモが使えるように拡充した。
両社とも目下の加入者は数百人だが、新学期の始まる4月以降に大幅な加入増を目指す。さらに東急が学習塾に設置したカードリーダーで同様のサービスを可能にするなど、多方面で連携を強めていく方針だ。
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2008年03月03日
江戸っ子の活気と温かさ 築地
おすすめ度:★★★★★
イラッシャイ!
全国から新鮮な食材が集まる東京の台所、築地。市場ならではの活気を楽しむなら、やはり早朝だろうと決め、早起きして向かう先は中央卸売市場。もちろん空腹だ。
▽新鮮食材の宝庫
築地に市場ができたのは関東大震災直後。それまでの築地は、海軍関連施設が集まる地域だった。慶応大、立教大の前身となった私塾が開かれ、明治維新後は外国人居留地も。その開かれたモダンな雰囲気は、旧居留地の教会などにわずかに残る。芥川竜之介は、現在の市場から一キロ弱の場所で生まれた。

「場内」と呼ばれる市場の内は、早朝から業者や料理人で大混雑。「危ないよ」の声に振り返ると、荷物を積んだターレットと呼ばれる運搬車が、何台も猛スピードで迫ってきた。早朝はプロにとって勝負時。邪魔にならないよう、道の脇を慎重に歩いた。
目指すは、場内で飲食店が集まる魚がし横丁。歌舞伎俳優も通う評判のすし店は、午前八時すぎで二十人ほどの行列ができていた。寒空の下、四十分待って席に着くと、休む間もなく握り続ける板前が「あったまってから食べな」とひと言。その気持ちと新鮮なネタで、値段以上の満足感を味わった。
一般客も自由に買い物ができる「場外」。「歩いてるだけじゃ分かんないよ、食べてって」と元気な掛け声に足を止めれば、手のひらに次々に乗せられるつくだ煮、黒豆、珍味…。もうそれだけで満腹だ。
魚を買い求め、郷里の家族へ発送を頼むと「他の店でも買うの? まとめて送ってあげるから、市場一回りしたら持ってきな」。言い方はつっけんどん、でも温かい。これが江戸っ子か。
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