ジュサブロー館 人形に魂吹き込む場所
おすすめ度:★★★★★
1階奥の小さな劇場「目玉座」
かつて人形浄瑠璃の芝居小屋が並んでいたという人形町。江戸情緒が残るこの町に、NHKの新八犬伝や、蜷川幸雄氏演出の舞台の衣装で知られる人形作家辻村寿三郎さんの美術館がある。
1996年に開館。英国のステンドグラス入りの引戸をがらりと開けると、常時80体もの人形たちが迎えてくれる。不思議の国に迷い込んでしまった気分だ。
2階には、新八犬伝のキャラクターや能を舞う織田信長と武田信玄、チョウの帯留めをした蝶々夫人ら、個性豊かな人形たちがいる。1階奥は小さな劇場で、羽飾りにきらめく衣装を身にまとい、胸もあらわなショーガールたちが勢ぞろいしている。まるでパリのキャバレーのようだ。
1階の小さなスペースは寿三郎さんの工房になっている。「制作中に会えるときもあります」と同館。足踏みミシンや蒸気の出ない重いアイロン。何十年もかけて集めた古布が棚にぎっしり入っている。材料は、人間が身に着けていたものばかりという。
布と詰め物に魂を吹き込み、繊細な指やまばたきしそうなまつげを持つ人形が生まれる。その魔法に、少し触れられた気がした。








