目黒 山の手に意外な歴史
おすすめ度:★★★
御利益ありまっせ
味わい深いタコさん
東京二十三区のうち、南西部に位置する目黒。JR目黒駅から権之助坂、行人坂といった由緒ある道を下った辺りには閑静な住宅地が広がり、典型的な山の手の表情を見せている。だが意外にも派手な来歴を持つ一帯なのだ。
▽だまし絵
大通りに「元競馬場前」というバス停。近くに、サラブレッドをいただいた石碑もある。碑文によると、一九〇七(明治四十)年に競馬場が完成、三二年には第一回日本ダービーを開催したが、翌年、府中に移転した。
「第三コーナーから第四コーナーへ…」と実況したくなるカーブ道が、住宅街に残る。移転したのになぜ?という疑問はあるが、なにげない日常に浮かぶ「だまし絵」のようでおかしい。

行人坂の大円寺は、悲劇の現場。江戸中期の一七七二年、この寺から出た火は風にあおられ、当時の市中の三分の一を焼いた。死者だけで約一万四千七百人。江戸三大火災に数えられる。盗人による放火というから、むなしさが増した。境内に、供養のため作られた五百羅漢の石像が肩を寄せ合う。
▽キモかわ
一方、目黒不動は徳川幕府に厚く保護され、周辺も江戸を代表する行楽地としてにぎわった。急な階段を上った本堂は見晴らしもよく、将軍さまの気分。下町の浅草ほどの活気はないが、門前町も健在だ。
そして世界唯一という「目黒寄生虫館」。財団法人によって運営され、ビル一、二階の展示室を無料で見学できる。覚悟はしていたが「やっぱり」な標本が並ぶ。傍らに熱心な若い女性グループが。「キモかわいい!」とか言う声が聞こえてきた。

う~む。この街を愛する方は多いと思う。自分が暮らすテリトリーとして。でも、ぶらり歩きにはどうかな。下町に比べると、空気が薄いというのか、情感に欠けるというのか。地価を見ると、拙者には住めないところだから、やっかみになるでしょうが。天気がよくなかったのと、3件のお葬式に出くわしたので、ちょっと気持ちが暗くなっていたのでしょう。道を尋ねても「あなた、よそ者なのね」って感じだったし。
元競馬場のカーブはうまく写真に収まらなかったので掲載できません。すみません。でも、ここは突っ走ったらスッキリしそう。青春映画の一コマのようです。拙者が「御用だ!御用だ!」と住宅街を巡ったら、きっとパトカーが来ます。







